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不安障害・パニック障害 panic disorder

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医
名古屋大学病院精神科・親と子どもの心療科
・小児科関連施設群認定 連携施設A

不安障害・パニック障害について

不安障害・パニック障害について 不安障害とは一定の物事に対して過剰に不安を感じ、それにより精神症状や身体症状が出現することで、生活に大きな支障が出てしまう疾患の総称です。 うつ病やアルコールの問題、発達障害、複数の不安障害などと並存していることをしばしば認め、患者さんそれぞれの症状にあった治療が求められます。

不安障害は以下のものが含まれます。

  • パニック障害
  • 広場恐怖
  • 社会不安障害(社交不安障害)
  • 全般性不安障害
  • 幼児期から児童期に認めるもの…分離不安障害、選択性緘黙(かんもく)

※専門的な話ですが、DSM-Ⅳ-TRでは強迫性障害も不安障害に分類されていましたが、DSM-5では別の疾患に分けられています。

パニック障害

パニック障害 パニック発作とよばれる「予期しない、激しい動悸、息苦しさ、めまいなどの身体症状を伴った発作」を繰り返し認め、 また起きるのではないかという『予期不安』を抱えて、日常生活や仕事などに大きな制限をもつ疾患です。

もしもパニック発作を起きたら助けが得られないのではないか、 と思える状況(人混みの中、電車の移動中など)に不安を覚える『広場恐怖』を伴うことが多く、 そういった方は苦手な状況を避ける傾向があります。

社会不安障害(社交不安障害)

社会不安障害(社交不安障害) 人前で何かすることに強い緊張や苦痛を感じ、その状況を逃げようとしたり、避けてしまう状態です。 その結果日常生活や社会生活に大きな支障をきたします。

「シャイな性格」と考えることもできますが、例えば会議が苦手なあまり会議を休むために会社を休むなど、 生活する上で大きな問題となっている状況のものをさします。

全般性不安障害

原因のない漠然としたことに過剰な不安と心配があり、その状態が6ヶ月以上続きます。 その結果、不安のコントロールがうまくできず、精神や身体に症状を認めます。

症状

①精神症状

そわそわ落ち着かない、緊張する、ささいなことに過敏になる、集中力低下



②身体症状

疲れやすい、倦怠感、動悸・息切れ、めまい・ふらつき感、不眠など

治療

不安障害の治療のメインは、薬物治療と精神療法になります。

①薬物治療

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択薬になります。
これは抗うつ薬として使われているものですが、不安障害も脳内の伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)が関わっていることが判明し不安障害にも効果が実証されています。 しかしSSRIは徐々に増量する薬のため効果が出るまでに2〜4週間かかります。SSRIの効果が出るまでの間、 または、不安の特に強い時に、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使うことがあります。不安障害に使用する際、 依存性の指摘があるので少量から短期間の使用を心がけましょう。

②心理療法

認知行動療法、マインドフルネス認知療法、ACTが極めて有効です。患者さんの頑張りでとても症状は緩和します。 パニック障害、社会不安障害の方には認知行動療法、全般性不安障害の方にはマインドフルネス認知療法などを勧めてます。

患者さんにより精神疾患を複数併存されている方もいらっしゃると思います。
患者さんそれぞれの状態に合わせて提案させていただきます。

③訪問看護

社会不安障害のため外出が難しかったり、パニック障害にて電車に乗ることや人混みが苦手になると、 主に自宅ですごされる患者さんも多いと思います。良かったら訪問看護を導入してみませんか。 患者さん、ご家族の悩みなどいろいろお話を聞かせてください。

※認知行動療法の考え方を訪問看護にて取り入れ、電車に乗ったり、人混みに行くことなどの実地トレーニングを 看護士・作業療法士と共に行い症状の克服につなげることも可能です。ぜひご相談ください。

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