ベンゾジアゼピン系薬剤の弊害、対応
前回の記事の続きになります。
『多剤併用薬物療法について』
https://meiekisakomentalclinic.com/blog/735/
『多剤併用 ベンゾジアゼピン系』
https://meiekisakomentalclinic.com/blog/783/
書籍を参考にベンゾジアゼピン系薬剤の弊害、減量・退薬について書きました。
参照:中山書店『メンタルクリニックでの薬物療法・身体療法の進め方』シンプルな処方を実現するコツ 藤堂直之
〜ベンゾジアゼピン系薬剤の弊害〜
これらは期待されている効果の裏返しの作用ともいえます。
あらかじめこのようなことが起こりうることを患者さんに説明し、どのように内服したらよいか、いつまで内服を使うのか、診療の中で繰り返し話すことが必要だと思っています。
○鎮静・催眠作用 よく眠れる → 昼間の眠気
○筋弛緩作用 身体が休める → ふらつく、それに伴い転倒・骨折のリスク
○反跳現象 BZ系により連用・中止により不安・不眠の増強
○依存性 減薬や断薬にともない離脱症状がでることがあります。症状は精神症状・身体症状などいろいろ。
○奇異反応 せん妄など 寝ぼけに似た、通常とは異なるおかしな言動が出現することがあります
○アルコールとの相互作用
○自傷・自殺企図・多量服薬などの衝動行為の抑えが弱まる(脱抑制)
〜ベンゾジアゼピン系薬剤を使わない・減らすために〜
医師としての処方するにあたり気をつけたいポイントです。
①そもそも処方しない
②不眠症状に対してベンゾジアゼピン系睡眠剤ではなく抗うつ薬(トラゾドン・ミルタザピンなど)
③不安には抗不安薬ではなく抗うつ薬
④ベンゾジアゼピン系薬剤の効果を疑う。
→抗うつ薬、気分安定薬の効果を信じる。
⑤患者さんへのベンゾジアゼピン系薬剤の効果・使用方法・有害事象の説明
⑥疾患の治療までの過程を説明する。(いつまでベンゾジアゼピンを使うか、いつどのように使うか)
⑦抗うつ薬、気分安定薬の効果発現までの精神療法の強化
⑧対処療法・軽快ではなく寛解を目指す
⑨ベンゾジアゼピン系処方なしの疾患の寛解の経験を重ねる。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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