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ADHDの対処法にカフェイン

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

ADHDに対するカフェインの有効性はいわれています。

 

 そもそも、ADHDは神経伝達物質であるドーパミン、ノルアドレナリンが神経細胞のつなぎ目であるシナプス部分にて再取り込みがされやすく、不足し、次の神経細胞に情報が伝達されにくくなることが原因であると言われています。

 
 そのため、神経伝達物質を補うため、薬物療法としてコンサータなどが有効な治療法であると話してきました。

 

 しかし、ADHDの薬の副作用やそのリスクに対する不安から、薬物療法をためらう患者さんが少なからずいらっしゃいますし、

 また、薬物療法が行えない状況の方や、実際に治療を始めたものの副作用で服用を中断する方もみえます。

 そういった患者さんから「他によい方法はないか?」と聞かれた際には、カフェインについてお話しします。

 

 

ADHDの非薬物治療としては、

規則正しい生活、良い睡眠、運動習慣、他に一部の栄養素にADHD症状の改善のデータがあります。

 

無論これらも行うことを勧めますが、

「特別苦手な状況について、その状況の改善を図りたい!」という際の対処法です。

 

 

 カフェインは脳内の交感神経を活性化し、注意力や集中力のマイルドな改善を認めますし、ラットの研究では多動の改善もあったそうです。他にも覚醒を促す効果があります。

 

 使用例では、

 普段はコンサータを朝に内服して仕事をされている方が、夜勤の時はコンサータを内服できないため、コーヒーやモンスタードリンクを飲んで働く、など聞きます。

 

 しかし、カフェインのような、飲用したら比較的すぐ(数時間以内)に効果が出現し、改善の実感のあるものはやはり、中毒性・依存性が高いものです。

 

 カフェインの大量摂取にはご注意ください。

 

 ちなみに、同様の目的で喫煙してニコチンを摂取されることでADHDの対応されている方はもいらっしゃいます。

 

 しかし、喫煙による身体リスクに比較すると、カフェインの方が安全といえます。

 

 

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