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IQは変化するのか?IQ改善例。

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

秋から冬にかけて、知能検査(IQを調べる検査)が増える時期です。

 

 

 来年の新年度に向けて、、

・現在の知的能力を客観的な数値として知りたい。(学校サイドから検査をお願いされることもよくあります。)

・支援級か普通級かを判断する材料にしたい

 

・前回の検査に比較して、どれくらい伸びたか知りたい

 

 

こういった理由が多いです。

 

 

 

さて、「IQは変化するのか?よくなるのか?」ということですが、

 

右矢印答えは変化します。

 

 

 例えば、認知機能が下がる可能性のある病気に罹患した際は、IQが下がることがあります。

 

 うつ病や統合失調症などの悪化時は、「頭が回らない、ぼおっとする」とおっしゃる方も多いですが、一過性に知的能力が下がる可能性があります。その際の心理検査結果は通常時よりも下がります。

 

 

 

 しかし、おそらく一般的に興味がもたれるのは、「トレーニングや生活習慣によりIQはあがるか?」ということだと思います。

 

 これも「IQは改善し得る」といえます。

 

 

 ほかの心理士さんや医師から「IQは基本的に変化しない」と言われた、という患者さんやご家族の方からの話は多いで以下のよす。そういった方には、以下のような説明をします。

 

 

 

「これまでと大きく変わらない生活を送っていたら知的能力(IQ)は基本的に変わらない。

しかし、劇的な生活の変化(連日かつ長時間の認知機能に作用する状況に変化)があればIQは上がることがよくあります。」

 

 

例えば、

 

・不登校/引きこもりの状態+ゲーム依存傾向にて来院。1回目の心理検査をその時点で行う。

 不登校改善後に、継続的に学校生活が送れるようになった数年後に改めて、2回目の心理検査を施行。

 

 

・注意欠如多動症にて、はじめは、授業中じっとできず先生の話を聞けない、宿題や漢字テストなどの勉強に向き合えない状況(1回目の心理検査)。

 そこから薬物療法を行うことで、授業も聞ける、友人関係も適切にふるまえる、宿題・試験勉強もおこなえる状況に改善する。改善した状態が数年継続したのちに2回目の心理検査

 

このような時、2回目の結果は1回目よりも改善していることが予想されます。

 

 など、劇的な変化が継続的におこりうると知的能力は改善することをよく認めます。

 

 

 

 名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平