「不登校」をお金をかけずに対応するには?

前回のブログについて、反響がいろいろありました。
昨日も診察において、以前不登校であった患者さんからその話題で話しかけられたり、
現在進行形で不登校に悩んでいる患者さん、そしてご家族と最近の対応を伺いました。
*お子さんが集団社会生活の機会を避けて、自宅にて過ごしている際、どうやって健全で健やかな生活を維持し、できれば学力も年齢相応を保てるのか?
出口はどこにもっていくのか?
このことは診察では常に考えています。
また、この問題をより経済的負担をすくなく、継続可能な方法があれば知りたいです。
・まず学校に通えるようにする
学校は教育の上では最強のパッケージプランであると認識しています。
様々な社会交流、全科目の指導、運動、運動会などの季節の行事など、
費用負担なくここまでの充実した内容で、かつ給食をセットにした1日のスケジュールは、他の体験では補えない素晴らしいシステムです。
やはりまずは、学校に通うことができないかを、十分に考慮することだと思います。
・学校に通えない原因(いじめなど)がそもそも何か。
・学業への苦手さが強いお子さんに通級や支援級の考慮は?
・また、教室などの音の大きさが苦手、不安を感じやすい、悪口を言われる感覚がある、
など感覚の鋭敏さや不安の感じやすさは、医学的な対応(薬物療法など)が奏功するかもしれません。
他にも、現状の学校生活がどうにも辛いものだとしても、
・次の学年に上がったら、部活ができるようになる、
・中学・高校からは特性に合わせた、より楽しい・合った学校に通えるようになる。
など、未来への展望があれば、現状もそれに向けて行動が変わり、前向きになります。
・別室登校、保健室登校は?
教室に行くことへの抵抗感のある方の選択肢となりますが、多くの学校では、別室登校における学習プログラム等はないことが多いです。
来年度にまでの数か月を別室登校で過ごす。
運動会の練習が多い9月だけは別室登校で過ごす。
など、今後の展望がある方がより向くのではないでしょうか。
別室登校でずっと過ごすことが悪
いわけではなく、学習プログラムが多くの場合にないため、自学自習を続ける必要があり、その継続が難しいからだと思います。
「科目や時間に応じて別室で過ごし、自学自習を行う」
というのも良い活用だと思いました。
(別室登校や保健室登校の位置づけや運営方法は学校により異なります。学校の先生方にご確認ください。)
他にもご意見あればぜひ教えてください。
次回、
不登校に対して、オンラインの対人交流はどうであるか?
ということを記載します。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
・子どものこころ専門医
・日本児童青年精神医学会 認定医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
・精神保健指定医