うつ病・不安症など精神科患者さんに頭痛持ちが多いこと CGRP抗体関連薬

1月にしては比較的暖かい日が続いていたので、今週の寒さは身に沁みます。
朝にどんよりと曇った空をみると、頭痛持ちの方は今日はお辛いだろう、と職業柄考えてしまいます。
ただでさえも年末年始はストレスの多い時期なので、メンタルヘルスの維持が大変ですね。
ストレスと頭痛との関連は、一般的に浸透している考えだと思いますが、
実際に、診察にみえる患者さんには「頭痛持ち」の方が多いです。
ストレスによる緊張感、不安、不眠、気圧変化、月経周期といったストレス性疾患のリスク要因は、慢性的に起きる頭痛の発症や悪化リスクに繋がるからです。(ともにセロトニン系の障害が誘因になります、)
また、慢性的な頭痛があることが、うつ病や不安障害、パニック障害、不登校などの社会機能の障害に影響を及ぼすこともあります。
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~頭痛とストレス性疾患との関連について~
1、自律神経失調症のように、セロトニン系の失調がもともと起こりやすいタイプである。
→うつ病・不安障害など発症しやすい、片頭痛も起こりやすい。
2、うつ病や不安障害、パニック障害、自律神経失調症などの精神疾患の身体症状として頭痛が起きる。
3、頭痛があることで精神疾患が発症・悪化しやすい。
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頭痛の治療にアプローチすることは、メンタルヘルスの改善に大きく寄与すると考えています。
片頭痛の治療というと、対処療法として、市販薬やアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を使われる方が多いですが、できる限り、予防治療をお勧めしています。
まだまだCGRP関連抗体薬はご存じない方が多いですが、欧米では、効果・安全性の高さから片頭痛に対する有力な治療とされています。
日本では2021年からCGRP関連抗体薬の片頭痛予防注射薬が3剤処方可能となり、実際非常によい治療成績が報告されております。
ご興味のある方はご検討をお勧めします。
(脳画像検査が必要であることから、心療内科である当院ではこれら注射薬の取り扱いはありません。脳外科・神経内科への来院をお勧めしています。)
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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