セルトラリン(ジェイゾロフト)は強迫性障害や不安障害に効果がない?

今週は暖かいですね。
春の陽気なので、まだ1月であることが信じられないです。
以前、勤務医として病院勤務していたころのことですが、
強迫性障害の患者さんに「セルトラリン(ジェイゾロフト)」を処方した時に、
セルトラリンの添付文書の適応疾患に、「強迫性障害」がないことに気が付いた患者さんから、
「セルトラリンは強迫性障害に効果がないのではないか?」
という心配を言われことがあります。
また、「適応外使用は不安だ」 ということも口にされました。
セルトラリンの強迫性障害や全般性不安障害に対する適応外使用について、今回簡単に説明します。
セルトラリンは、保険上では、うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス性障害(PTSD)に適応があるSSRIとなります。
また、不安に対する効果が十分にあり、強迫性障害やPTSDにも有効性が確認され、国外では適応と認められることがあります。
しかし、日本では、強迫性障害やPTSDには適応外となります。
なぜかというと、
「日本での臨床試験で強迫性障害に対する有効性が十分に示されなかった」
ということなのですが、
これは、日本にて適応を得るためには、日本で研究をして有効性を証明しないといけないですが、そのコストが大きいと、現在後発薬が販売されている薬剤について改めて試験を行い適応追加を行わうことが割に合わない、ということがあります。
そのため、セルトラリンは強迫性障害について、有効性はありますが、医師の判断に基づく適応外使用ということになります。
~強迫性障害に対する有効性は以下のなります。~
レクサプロ(エスシタロプラム)>>パキシル(パロキセチン)>クロミプラミン(アナフラニール)>ジェイゾロフト(セルトラリン)=ルボックス(フルボキサミン)
また、上記の有効性に副作用などの安全性を考慮すると、
①レクサプロ(エスシタロプラム)
②ジェイゾロフト(セルトラリン) の処方順になります。
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名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
・子どものこころ専門医
・日本児童青年精神医学会 認定医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
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