ゲーム依存の入院治療はどのようなものか
前回のブログに続きます。
児童精神科の分野にて入院される患者さんでは、「ゲーム依存症(スマホ・動画などのデジタル刺激への依存症)」の方が増えています。
この依存症はゲーム等のデジタル刺激に依存することで、社会機能の低下(規則正しい生活が送れない、不登校、アルバイトなど予定をこなすことができない、など)や精神状態の悪化(うつ、不眠、意欲低下、無気力、衝動性の悪化、など)につながる状態です。
みなさん、まずご家庭で環境の調整や対応など色々調べて試されていると思いますが、ご家庭での対応や外来治療による症状改善の難しさがあるときは入院治療をお勧めしております。
(地域により「ゲーム依存症」の入院治療を行っている病院は少ないのですが、可能な状況があるならばお勧めしたいです。)
入院にてデジタル刺激から離れた上で、規則正しい生活を行います。
また、依存症治療として、必要あれば薬物療法も検討されます。
また、
・認知行動療法・対人関係のカウンセリング ・他の患者さんとのグループミーティング ・依存症についてのレクチャー
などの様々なプログラムが病院によってあると思います。
退院後の症状悪化を防ぐために、退院後の生活を具体的に想定した話し合いや、退院後の外来通院や訪問看護などのフォロー体制も決めておくことも必要です。
その中でも、とり分け大事なことは、
・親子関係の再構築 患者さんとご家族の適切な関係をいかに作るか、日々の家庭生活をどのように行っていくか?
・デジタル刺激のない時間をどのように埋めるのか?
(学校にいく、スポーツのサークルなどに入る、など)
入院から退院後の生活に至るまで継続的な治療支援が必要です。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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