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知能は遺伝率80%なので、勉強の努力の意味はないのか?②

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

知能は遺伝率80%なので勉強の努力の意味はないのか?①

上記の続きです。

 

 

学力向上のトレーニングに必要なこととして以下が挙げられます。

 

 

 

①それぞれの人に合った学力の向上に適したトレーニングを選択すること。

 

 (例えば、数学の点数が悪いからといって、計算ドリルばかりやってもおそらく学力向上にはつながらないでしょう。苦手な分野への適したアプローチもしくはあきらめることの選択。得意な分野を伸ばすアプローチなどが必要です。)

 

 

②継続的に連日、努力をし続けること。

 勉強へのモチベーションの高さをキープするのか、毎日勉強を行う環境を設定するのか、

 こだわりにて勉強のルーチーン化か、、

 

 

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 ところで、知能(IQ)と学力は相関しますが、絶対的なものでは全くありません。

 

 全IQにて低い数値の方が、比較して高いIQ数値の方よりも高い学力の学校にいくことはよくあることです。

 

 

しかし、視覚的な言語能力の高い方の方が、問題文を読んで理解することが早いですし、

そこに、短期記憶の高い方の方が、ケアレスミスも少なく問題を解けます。

 

 同じモチベーションで、同じ問題に取り組んだならば、その問題の解決に対して必要な能力の組み合わせが高い人の方がより問題が解けることは事実です。

 

 

 

 

 

 そもそも、日本における学力とは、大学入試の突破を一番のヤマとする、18歳〜20歳くらいの学問の成熟度を表すことが多いと思います。

 平均寿命を考えると人生の早期の時期であり、その時点で知的な能力以外にも、精神的な成熟度(すなわち勉強へのモチベーション)が必要な訳です。

 

 

 

 またちなみにデータとして、幼少期ほど環境の影響が大きく、経年的に遺伝の影響が増すということはわかっています。

 

 

 

 

つまり、上記のことをまとめると、

 

学力は、知能とまったく同じ能力を指すわけではなく、成人にも満たないくらい年齢(家庭の影響が大きい年齢)における勉強の習熟度であり、本人の勉強モチベーションと、適した勉強内容の選択が有効である。

 

 

ということになるので、学力における家庭や親の影響は大きいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平