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知能は遺伝率80%なので、勉強の努力の意味はないのか?①

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

東大合格!などの母親の体験記や教育指南をマスメディア、ネットニュースにてしばしば見かけますが、

それに対するよくある反論は、

 

「知能は遺伝率が約80%だから、親や本人の努力うんぬんよりも、両親の遺伝がよかったのではないか?」

 

だとおもいます。

 

この意見に対する私見です。

 

 

・知能について語るとき、IQテストにて数値化されたものをベースに議論されますが、IQは持って生まれた能力として普遍かというともちろんそうではないです。

 脳機能は過ごしてきた環境に応じて変化しますし、これからの過ごし方によりIQも増減します。(エピジェネティクスもありえる。)

 

 

 例えば、ビジョントレーニングのような視覚情報をつかうトレーニングを毎日本当にやったら視覚機能はあがります。(ボクサー選手はビジョントレーニングをやって視覚機能をあげている方が多いです。)

 

 また、おそらく、神経衰弱のような記憶力をつかうゲームを連日行うと、ワーキングメモリーなど向上すると思います。しかし毎日、神経衰弱をやろうとおもっても毎日は継続しないことがほとんどだと思います。

 

 

 

 

 つまり、長期間、継続的にトレーニングをしたらやらないよりも大概の能力は伸びます。

 

 しかし、なかなか環境は変えられないため、ある日を境に、連日決まったトレーニングをすることはとても難しく、結果的に能力の変化がむずかしいことにつながります。

 

 

 

 

 もしも勉強を継続的に連日勉強をしたらおそらくだれでも、そのトレーニングをしなかった状況に比較してきわめて学力は伸びると思います。

 (また今度記載しますが、継続した年単位のトレーニングはエピジェネティクスを起こす可能性もあるのではないか?つまり遺伝情報すらも変化させる可能性があるかもしれないです。)

 

 

 

 

 もちろん、学力の伸びには、個人により範囲があります。

 

 

 年単位で毎日サッカーを練習するならば、やらないよりも驚くほどうまくなりますが、プロ選手レベルに到達するかは遺伝情報の影響が大きいと考えられますし、

 

 

 勉強も年単位の継続的なトレーニングにて学力は(行わないよりも)かなり向上しますが、東大合格レベルに到達するかはわからないです。しかし、想定していた学校よりも上にいける可能性は高います。

 

 

 

 

 

では、学力が向上するトレーニングに必要なものは何か?

 

 

 

①それぞれの人に合った学力の向上に適したトレーニングを選択すること。

 

 (例えば、数学の点数が悪いからといって、計算ドリルばかりやってもおそらく学力向上にはつながらないでしょう。苦手な分野への適したアプローチもしくはあきらめることの選択。得意な分野を伸ばすアプローチなどが必要です。)

 

 

②継続的に連日、努力をし続けること。

 勉強へのモチベーションの高さをキープするのか、毎日勉強を行う環境を設定するのか、

 こだわりにて勉強のルーチーン化か、、

 

 

続きは次回、

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平