カサンドラ症候群
カサンドラ症候群は正式な医学名ではありませんが、
「ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調」
と説明されます。
診察室に相談されるかたに少なからず当てはまる状況ではないかと考えます。
心が通わない特性(共感性、応答性に乏しい特性)を認めるものとして、まず思い浮かぶものが自閉スペクトラム症(発達障害)ですが、その他の障害の可能性や「疾患」として診断される状態だけではなく、
環境要因(養育環境など)に関わる愛着スタイルや性格傾向の癖くらいが適切なケースも多いと思われます。
診察で関わりえるのは、
患者さん本人が不安障害、強迫性障害、うつなどで受診され、診察をすすめていくと、本人もしくはパートナーが「カサンドラ症候群」に該当する状況であること
子供が不登校や発達の悩み、不安・気分障害などで受診し、家族から話を聞くと、相談者の親が「カサンドラ症候群」に該当する状況であること
「カサンドラ症候群」を患者さん自身が自覚され来院されるケース
岡田尊司先生の著書にて、ストレスや問題に直面した際に、「不安型」と「回避型」の愛着傾向により対処行動が異なり、往々にしてストレス時に「不安型」が「回避型」に助けや共感を求めるも、応答や共感が得られず回避されてしまい、関係の悪化につながる状況が多い、という記載に納得し入りました。
対応は上記のケースで異なるにせよ、過去に比べて、「カサンドラ症候群」という概念が浸透し、このことで悩んでいる方の辛さが共感されやすくなったことが、まずは救いなのではないかと思います。
先日、アートで有名な佐久島にはじめて行きました。
海に囲まれた島に黒壁とうっそうとした植物が生い茂り、なかなか趣がありました。
*発達障害、ADHDの遺伝と環境についての記載です
https://meiekisakomentalclinic.com/blog/648/
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平