抜毛症は強迫行為?衝動性の問題?
毎日雨が続きますね。
土や植物が雨に濡れた街並みを歩くことは好きなのですが、さすがに晴れ間が待ち遠しいです。
受診される患者さんには、「抜毛の悩み」を伴う方がしばしばいらっしゃいます。
一番の受診理由ではないとしても、悩まれている方は多いものです。
「抜毛症」:繰り返し抜毛してしまい、自分でもやめたいがやめられない。抜毛することで生活に支障をきたしている。
抜毛症は上記で定義されますが、属する疾患グループがICD10とDSMⅣ・5では少し異なります。
ICD10(国際疾病分類第10版)、DSM Ⅳ(アメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアル)では、衝動制御の障害だったものが、
DSM5では、強迫症および関連症群 に移行され、 抜毛や皮膚むしり・爪噛み行動など身体を対象とする反復行動を総称する“Body-focused repetitive behaviors”(身体集中反復行動 BFRB)という用語が用いられます。
BFRBを認める方は爪噛み、抜毛、皮膚むしり(ささくれやかさぶたを過剰にめくる、など)等の症状を複数認める方が多いです。
つまり、抜毛をやめようとすると爪かみが悪化したり、皮膚むしりが出現したり、症状が移行するものです。
では、どうするのか?
一般的に、認知行動療法など心理療法と薬物療法が挙げられます。
心理療法・認知行動療法はやはり可能な方は行うことをお勧めします。症状の緩和と再発予防に効果的です。
しかし、こういった非薬物療法が十分に進まないケースが散見します。症状や対応を理解していてもつい行ってしまう行動なのです。
やはり脳機能の不適切な働きの問題であると認識させられます。
その際は、薬物療法が選択肢として挙げられます。
ちなみに、ストレスや不安・憂うつ気分を伴い症状の出ている方と、ただただクセとして行う方では内服薬の提案は異なると考えます。
次回、治療についてです。
・清潔恐怖と文化・風習による有病率
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・皮膚むしり症について
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丹羽亮平