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ビジョントレーニングを行ったうつ病患者の例〜ビジョントレーニング

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

『目からの情報を適切に受け取り、判断し、行動にいかす。』

 

ことについてトレーニングすることがビジョントレーニングとなります。

 

 

 

「目で見る能力」は日常のほとんどの行動に関わってくることであり、苦手さがあると様々な困り感が起こり得ます。

 

 

 

 

 診断名では、自閉スペクトラム症(発達障害)、ADHD、学習障害の方に多くみられると感じております。

 しかし、うつ病など様々な疾患のベースに視覚機能の苦手さが潜んでいるケースは少なくありません。

 

 

 

 

具体例:ビジョントーニングを復職に向けて行っているうつ病患者さんの例をあげます。

 

 

 仕事のミスを繰り返し上司から叱責されたことをきっかけに、抑うつ気分と不眠が出現して受診されました。

 診断名はうつ病。

 不注意症状は認めるものの、ADHDの診断には至りませんでした。

 

 休養と内服治療にて、抑うつ気分と不眠症状は軽快しました。

 

 しかし、復職後に再発しないために不注意症状への対応を考えました。

 

 

 「不注意症状」を具体的に探ると、

 

 ・たくさんある商品の中から必要なものを素早く見つけることができない。

  そのために作業に時間がかかる。

  慌てるとミスが増える。

 

 ・見落としが原因のミスが多い。

 

 また、心理検査結果をもとに、『目で見る力』の苦手さが認められビジョントレーニングが提案されました。

 

 現在、ビジョントレーニングを施行中ですが、自身の苦手さが明確にわかり、具体的に対応できたことに非常に満足されております。

 また、トレーニングそのものも比較的楽しくやられているようです。

 

 

 

◯当院で採用しているマシーンのトレーニング効果について・・・

週2回のトレーニング頻度にて、3ヶ月後から、「視機能の向上」「認知機能」の有意な主効果が実証されたそうです。

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平