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慢性炎症について

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 同じ医療でも美容(皮膚)の分野では一般的に、肌の新陳代謝(ターンオーバー)という言葉が用いられていると思います。

 

 細胞が一定期間で古いものが排出され、新しいものに生まれ変わるということです。

 

 しかし、この体の細胞が生まれ変わるというシステムは、全身の多くの臓器や細胞で認めることなのです。(代謝の周期は部位により非常に差はあります。また、心筋細胞など生涯あまり変化しないとされる細胞もあります。)

 

 そして、脳においても同じように生まれ変わることがわかって来ました。

 

 →脳は基本的に変化しています。

 

 

 

・細胞順調に一定周期で生まれ変わることが健康に繋がる。

 

 皮膚の美容の例に戻りますが、肌老化(肌の新陳代謝)に対して悪影響を持つものとして、

 栄養、ストレス、睡眠不足などがあります。(皮膚のリスクとして外気にさらされるため乾燥・紫外線も挙げられ、臓器特有のリスクの違いはあります。)

 

 栄養が十分でなかったり、睡眠不足が重なると新陳代謝がうまくいかず肌荒れがおきる、ということは一般的に知られていると思います。

 同様に、これらのリスクの影響として細胞の生まれ変わりがうまくいかず不健康な結果をもたらす、という状況は脳を含めて全身の細胞の多くについて当てはまるといえます。

 

 

 脳、体内の臓器、骨、血管など…

 きちんと環境の整った細胞は健全に新陳代謝され新しく生まれ変わり、結果として健康に繋がります。

 

 これは、1、新しい細胞が生成される 2、古い細胞が排出される

どちらのステップが乱れてもうまくいきません。

 

 

 

・弱い慢性炎症がたくさんの疾患につながるリスクである

 

 

 咽頭炎・喉頭炎・中耳炎など急性の炎症、または強い慢性炎症(関節リウマチなどの自己免疫系疾患、ぜんそく・アトピーなど)は疾患として認識され、治療や予防の対象となっています。

 

 しかし、症状として認識されないような緩やかな慢性炎症がじつは多く存在します。

 

 

慢性の緩やかな炎症があることにより、

 

①細胞を損傷する。→新しい細胞が生成され、組織が再生したり修復することができなくなります。

 

 例えば、肌の傷において、かさぶたを引っ掻いて何度も剥がし続けると傷跡が瘢痕化して残ることがあります。

 同じように、体の臓器も脳も、炎症が長期化することで、体の組織が適切に修復されず、最終的に瘢痕化したり組織の形が変わることに繋がります。

 

②炎症はもともとの組織ではないところまで影響をもたらす。

 

 ある部位で炎症が起きると、炎症サイトカイン(免疫系の情報伝達を行い炎症をつぎつぎ引き起こす)が分泌され、血液を通して体内の他の部位にまで影響をもちます。

 

 炎症の影響は、初めに起こった一箇所に留まらないということです。

 

 知られている例では、慢性炎症である歯周病があるとサイトカインの影響の血糖値のコントロールが上手くいかなくなり、糖尿病の悪化を招きます。

 また同様に、慢性炎症の関節リウマチの患者さんでも血糖値異常が起こりやすいことがわかっています。

 

 

③慢性炎症を引き起こす原因・病態の多様さ

 

慢性炎症のおこる原因は以下など。

・感染

・慢性の刺激

・免疫系の破綻

・ストレス

・有害な物質の摂取

・睡眠不足

・肥満(とくに内臓脂肪)→インスリン抵抗が上がる→糖尿病   

 

 

この慢性炎症は長期の経過をたどって進行します。

そのため、生活そのもの(運動や食事の習慣など)が反映する可能性がある、とも言えます。

 

慢性炎症への対応として、栄養療法をつなげています。

 

 

栄養療法のブログ↓

https://meiekisakomentalclinic.com/blog/797/

 

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