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子どものパニック障害(PD)の治療について①

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 パニック障害(PD:Panic disorder)の治療は、

 

 ・心理教育

 ・認知行動療法

 ・学校コンサルテーション

 ・家族療法

 ・力動的精神療法

 ・薬物療法,

 

 などが有効であり,治療抵抗性のケースでは複合的なアプローチが必要です。

 

 

 しかし子どものPDの治療では,力動的精神療法や家族療法に関するエビデンスはなく,認知行動療法に関してもPDを含む不安障害の子どもを対象とした臨床試験での有効性が証明されているのみです。

 

 一方,薬物療法のエビデンスは蓄積されつつあり,子どものPDの短期的な治療において選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitors: SSRI)の有効性が証明されています。

 

 SSRIは不安障害によって心理療法に参加することができないとき,あるいは心理療法が部分的な効果しか得られないときに有効であると考えられています。

 

 どちらにしても、まず優先的に行うべきことは、

 子ども,両親,学校の担当教師そしてスクールカウンセラーに対する適切な心理教育です。

 そこでPDの特徴,臨床的な症状,症状発現時の対応,そして治療についての説明を行い,その上で子どもの状態に合わせてその後の治療を選択していくべきだと思います。

 

 

 次ページにて、小児のパニック障害に対する心理療法、薬物療法について解説します。

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医療法人永朋会

理事長  加藤晃司

 

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