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プレイセラピー

 プレイセラピー(遊戯療法)は治療効果が世界中で認められこころの問題を抱える子供の心理療法として広く行われています。

 

 しかし、子供と遊ぶことを行えば自然と心理的な問題が解決するわけではなく、治療の理論を理解することや実際のセラピストの関わり方が大事です。

 


 心理療法というと、大人であれば言葉のやり取りで行いますが、子どもの患者さんでは自分の気持ちを言葉で表現することや、相手の言葉をニュアンスを含めて理解するのはとても難しいです。

 また、子どもの患者さんは自分から心の問題を「治療しよう、治したい」と思い医療機関を受診することは少なく、患者さんにとって「退屈な」治療は行えないのが実際です。
(嫌がる患者さんを無理やりクリニックに連れてくることは余り勧められません。)

 


 遊びは子どもにとって自分の気持ちを表現する場であり、プレイセラピーは遊びという媒体を通して内面的な自己表現を促します。

 

 


適応:

 小学生くらいまで。

(子どもにより、言語的な精神療法や心理カウンセリングを勧めます。)


 さまざまな情緒障害に対応します。


 発達障害の子どもの場合、障害そのものの改善を目標としないです。

  

※手先の不器用さ、をメインに扱うときは『作業療法』 
 言葉の苦手さ、をメインに扱うときは『言語療法』    

 

を勧めます。

 

 


治療構造の原則は、

 

 

①セラピストはできるだけ早期に子どもと親密な治療関係(ラポール)を作り上げること。


 →子どもがセラピストと過ごす空間で、自分の気持ちを自由に表現出来る雰囲気を作れることを目指す

 

 

②セラピストは子どものあるがままの状態を受け入れること


 子どもに指示を与えず、子どもが治療(遊び)をリードしセラピストがそれに従うこと

 

 

③セラピストは子どもの感情を敏感に察知し、察知した感情を適切な形で子どもに伝え返し、子どもの洞察を促すようにすること


→子どもは適切な機会さえ与えられるならば、自分で自分の問題を解決できる能力を持っていることに信頼をおき、自身の力で解決の道を辿ろうとする子どもの主体性を尊重する。

 

 

 

このような治療構造を展開することで、


 ・子どもは遊びを通して自分の本当の気持ちを安心して表現出来るようになり、セラピストは子どもと遊びの楽しさだけではなく、子どもの抱える悔しさ、悲しさ、怒りを受け止めて、心の交流を深めることになります。

 

 

 ・子どもは自分のあるがままの振る舞いを受けいれられることで、自分に自信を持つことができるようになり、徐々に自己主張(自分らしさ)を出すことが出来るようになります。

 

 

 ・セラピストとの安定したかかわりを体験するうちに、徐々に他者への信頼感を取り戻し、家庭や学校で安定した人間関係を築くことに繋がっていきます。


 

 


 子どもが心理的な問題を抱えるとき、親が子どもへの接し方や対応に悩んでいたり、場合によっては家庭内の状況がきっかけで症状が起きていることもあります。
 子どもへのプレイセラピーと同時に、必要によりペアレントトレーニングにて親御さんへのケアをおこなうことを勧めています。

 

 

参照:南山堂『子どもの心の診療医になるために』

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平