ナルコレプシーについて①
ナルコレプシーについて
日常における診療では、ナルコレプシーは必ずしも診察頻度の高い疾患ではありません。
そもそも有病率が0.16%と頻度の低い疾患であること、また、ナルコレプシーの確定診断には、MSLT (multiple sleep latency test、反復睡眠潜時検査)という睡眠検査が必要であり、大学病院など検査が行える施設が限られているからです。
また、治療についても使用するために登録申請が必要なリタリンが薬剤療法のメインであったことも治療上の制約になっていました。
しかし、治療の観点では、2007年、モダフィニル(モディオダール)が日本において認可されナルコレプシーの治療の第一薬になったことで、治療を行いやすくなったと言えます。
• ナルコレプシーは日中の強い眠気、感情に伴う脱力発作、レム睡眠の異常を認め、視床下部等の脳内におけるオレキシン神経の障害です。
(古典的なナルコレプシーの4徴は、睡眠発作、脱力発作、睡 眠麻痺、入眠時幻覚、となります。)
• 過度の眠気と脱力発作を主に訴えて受診される患者さんに対して、問診や検査を進めるた結果、単純な睡眠不足であったり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を認めるケースが非常に多いです。
• 確定診断には、ポリソムノグラフィー、MSLT (multiple sleep latency test、反復睡眠潜時検査)が必要となりますが、MSLTは大学病院など大きな施設でないと基本的に扱っておりません。
ナルコレプシーを疑い、確定診断をご希望の患者さんには検査可能な病院への紹介状を書かせていただきます。
参照:ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン 日本睡眠学会
http://jssr.jp/data/pdf/narcolepsy.pdf
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名駅栄生メンタルクリニック院長
丹羽亮平