ADHDの児童への作業療法 放課後デイサービス
ADHDで通院される児童の患者さんに、放課後デイサービスを提案することが多いです。
その理由を作業療法をメインに改めて書きたいと思います。
放課後デイサービスにて子供たちが過ごす様子を見学に行かれた患者さん・家族は「みんな楽しそうに遊んでいた」とおっしゃる方が多いです。
効果として、
・集団遊びによる社会性の向上
・苦手な運動(スキップ、鉄棒、ボール遊びなど)や不器用さ(はさみ使いなど)に対するトレー二ング
と理解される方がほとんどですが、作業療法の目的はそれだけではありません。
『子供たちが自身の持っている考え方や行動の特性(多動性、衝動性、不注意)を正しく理解し、行動や感情を適切にコントロールできること』
→『子供たちそれぞれが自分らしく過ごしながら社会生活における成功体験を繰り返し、自尊心を取り戻すこと』
同じ空間で、基本的に子供たちそれぞれが得意なことや興味のあることを別々に行います。
集団の場にいること、集団で何か行うことにあたって、スタッフは最低限のルール「やってよいこと」「やってはいけないこと」を明確にします。
作業療法は施設により様々なプログラムがあります。
これらの体験は、多動エネルギーを発散する場にもなりますが、作業遂行の過程を通して、衝動性・攻撃性が引き起こされる自分自身の感情の変化、相手の感情について理解を深め、苦手な状況や遭遇した際の対応の仕方を学んでいきます。
また、作業遂行機能の改善につながります。
作業療法士などスタッフがこれらの場を提供しながら、こどもたちの自立の援助をさせていただきます。
参照『生活を支援する精神障害作業療法 急性期から地域実践まで 医歯薬出版株式会社』
名駅さこうメンタルクリニック院長
丹羽亮平