ブロッコリースプラウトが自閉症スペクトラム障害(ASD・発達障害)に改善効果

前回ブログに記載したブロッコリースプラウトの効果について、診察中に患者さんと何度も話題になりました。
ブロッコリースプラウト~抗酸化作用、AGA、自閉症の改善など
健康意識の高い方がここ数年特に増えている印象ですが、ブロッコリースプラウトについてご存知の方が多くて驚きました。
AGA対策(抜け毛対策)・白髪予防を目的にする方もいれば、高い抗酸化作用に魅かれて購入している方もいらっしゃいます。
ちなみに、食べ方は、いつものサラダに混ぜるとか、キムチにまぜる、冷ややっこに添える、などを伺いました。
食べるなら、
ブロッコリースプラウトからスルフォラファンを効率的に摂取するためには、生食がおすすめです。
スルフォラファンは、ブロッコリースプラウトに含まれるグルコラファニンという化合物が、酵素であるミロシナーゼと反応することで生成されます。
ミロシナーゼは加熱によって失活するため、加熱するとスルフォラファンの生成が大幅に減少します。生で食べることで、酵素の活性が保たれ、スルフォラファンが効果的に生成されます。
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また、患者さんやそのご家族から、スルフォラファンが自閉スペクトラム症への改善効果がある可能性について、もうすこし詳しく聞きたいとの声が多かったため、以下に、そのことを扱った論文について記載します。
摂取し続けないと、症状の改善効果がなくなります。
有効成分スルフォラファンが薬剤化されて、ASDの内服治療が可能になると良いですね。
Sulforaphane treatment of autism spectrum disorder (ASD)
『Sulforaphane treatment of autism spectrum disorder (ASD)』は、マサチューセッツ総合病院のLurie Center for Autismやハーバード医学校、ジョンズ・ホプキンス大学などの研究者によって行われた、スルフォラファンが自閉スペクトラム症(ASD)に与える影響について調査した研究です。
ASDは、コミュニケーションや社会的対人交流の障害、こだわり行動を特徴としますが、現在のところ治療法は限られており、特に中核症状である社会的対人交流の苦手さに対する有効な薬物療法はまだ存在しません。
この研究では、プラセボ対照の二重盲検ランダム化試験として実施されました。13歳から27歳の中等度から重度のASDを持つ44人の若年男性を対象に、スルフォラファン(50-150μmol)またはプラセボを18週間投与し、その後4週間の治療中止期間を設けました。
研究の結果
スルフォラファンを投与された参加者は、プラセボ群と比較して、顕著な行動の改善を認めました。(具体的には、ABC(Aberrant Behavior Checklist)スコアが34%減少、SRS(Social Responsiveness Scale)スコアが17%減少)
また、 CGI-I(Clinical Global Impression Improvement Scale)では、スルフォラファンを投与された参加者の多くが、社会的相互作用、異常行動、言語コミュニケーションの改善を示しました。
治療中止後の変化として、 スルフォラファンの投与を中止すると、すべてのスコアが治療前のレベルに戻る傾向が見られました。
結論
スルフォラファンは、ASDのコア症状に対する有望な治療法である可能性がある。
(しかし、さらなる研究が必要。)
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
・子どものこころ専門医
・日本児童青年精神医学会 認定医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
・精神保健指定医
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