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5歳児検診が義務化 発達障害・ADHD増える?【医師が解説】

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

子ども家庭庁は、2025年度から「5歳児健診」の普及に取り組み、2028年度までに5歳児検診の実施率を100%にするという目標を掲げました。

 

5歳児健診で確認する内容は、

「身体発育状況」

「精神発達の状況」

「栄養状態」

「言語障害の有無」

「育児上問題となる事項の確認」(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故等)「その他の疾病及び異常の有無」

の主に6項目となっています。

 

5歳児検診では、

 

自閉スペクトラム症(≒発達障害)、 自閉症、 注意欠如多動症(ADHD)

知的面の苦手さ

対人交流の障害 (言葉の遅れ、構音障害、緘黙など)

運動の苦手さ (協調運動障害など)

虐待などの家庭環境の問題

などをスクリーニングすることが目的となります。

 

 お子さんを早期に療育や治療、小学校以降の対応につなぐことができる点で非常に良いと思います。

 また、これらの症状を認めるお子さんのご家族は、保育園や幼稚園での指摘や家庭内の様子にてご不安を感じられているケースが多く、ご家族の不安に寄り添える点も好ましいです。

 

 一方で、上記疾患の過剰診断になるのではないか?

 という点について、

 

 支援が必要なお子さんに支援が行き渡らないより、

 病名にこだわらず、必要な支援を症状に応じて受ける方が重要であると思います。

 (*ただし病名をお子さんに伝えることは慎重になった方が良いです)

 

 そうすると、おそらく一番の問題は、支援サービスの人員確保という点ではないかと。

 

 現時点でも、

 利用児童の増加に伴う、特別支援教室や通級の教員不足、特別支援学校の教室不足が問題となっておりますが、5歳児検診義務化されるといっそうの不足が予想されます。

 

非常に難しい問題ですね。。

 

・構音障害のあるお子さんに言語療法を提案。

・集団生活に不安が強く、緘黙をうたがう症状があるお子さんに少人数のクラス対応

 

 など、症状に応じて、行う方がベターな支援はあるのですが、支援サービスの供給不足を前提に、どうするかは非常に悩ましいです。

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

 


・子どものこころ専門医
・日本児童青年精神医学会 認定医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
・精神保健指定医

 

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当院ホームページはこちらより

https://meiekisakomentalclinic.com