成人にビバンセを処方できるのか? 注意欠如多動症について
注意欠如多動症の治療薬である 中枢神経刺激薬 ビバンセ(リスデキサンフェタミン)について、成人に処方できないか? という質問をしばしば受けます。
返答として、
原則、ビバンセは6歳以上18歳未満の小児のみに処方可能となります。
質問をされる方には、
①
現在すでにコンサータなどの注意欠如多動症の治療薬を内服していらっしゃる成人の方が、治療の選択肢のバリエーションとして、ビバンセが使用できないか?
と聞かれる場合
②
現在、18歳未満でビバンセを内服中の児童患者さんが、18歳以降もビバンセの処方内服が可能であるか?
と聞かれる場合、の2つの状況があります。
①のケースはビバンセを処方できません。
現在の治療にて満足できない点があるならば、ビバンセ以外の方法でよりよい対応を考えることになります。
(薬剤の調整や、心理カウンセリングや環境調整など)
②のケースでは、18歳になった時に、ビバンセを内服する必要性や効果、リスクを考慮した上で、内服継続を判断することになります。
もともと、ビバンセを内服していた方が、18歳になった際に、絶対に内服を辞めないといけないわけではありません。
気になる点があれはご質問ください。
伊勢の猿田彦神社にいきました。境内には国歌にも出てくるさざれ石があります。
御利益を求めてたくさんの方がお参りに来てにぎわっていました。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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ビバンセカプセル
4.効能又は効果
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
6.用法及び用量
通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。
5.効能又は効果に関連する注意
5.1 本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。
5.2 本剤の6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7、17.1.1、17.1.2参照]
5.3 本剤による薬物治療を18歳未満で開始した患者において、18歳以降も継続して本剤を投与する場合には、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに、定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。
5.4 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
7.用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
7.2 高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2未満)には、1日用量として50mgを超えて投与しないこと。また、透析患者又はGFR15mL/min/1.73m2未満の患者では、更に低用量の投与を考慮し、増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。[9.2.1、13.2、16.6.1参照]
7.3 不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。