出産をきっかけに発症した強迫症状がTMS治療にてほぼ完治した例
以前通院されていた患者さんのケースです。
もともと精神科通院歴はなく、仕事をこなしながら、穏やかに家庭生活を過ごされていた30代の女性の方です。
出産の直前まで仕事を継続され、出産も問題ありませんでした。
退院後しばらくして、哺乳瓶の消毒やオムツの対応など、赤ちゃんの口にふれるものや身の回りのものの「清潔管理」を意識して行ううちに、「不潔への不安」が高まっていきました。
・赤ちゃんのオムツをかえるときに、床など周辺の除菌を行うため時間がかかりすぎてしまう
・手洗いが繰り返し、手が乾燥しあかぎれが治らない
・トイレが不潔に感じて、ビニール手袋つけたり、除菌を丹念に行うなど、トイレ使用がスムーズに行えない
・家以外でトイレが使用できない。おむつ替えができない。
など、いよいよ生活に支障を来たし当院に来院されました。
強迫性障害と診断し、治療を選択する際、以下のご希望でした。
・母乳をあげたいため、薬物療法はできれば避けたい
・できるだけ早い治療効果が欲しい
そのため、非侵襲的な脳刺激治療である経頭蓋磁気刺激(TMS)を提案しました。
TMS治療は、特定の脳の領域に磁気パルスを送ることで神経細胞の活動を調整し、症状の改善を目指します。
・保険治療ではないこと、
・高い治療効果を得るためには、できれば治療頻度を多くする必要があること
を説明し、納得いただけたところで治療がスタートしました。
(お子さんはご家族に毎回預けて来院されました。)
こちらの患者さんは週3~4回×7週間 全25回にてrTMS終了。
治療開始から2か月後、この患者さんの不安感が減少し、清潔に関する強迫行動も治療前よりあきらかに減りました。
「おむつ替え」への除菌行動が改善され、自宅でも時間がかからなくなったこと、外出先でもおむつ替えが行えるようになったことが、日常生活の改善におおきく繋がったそうです。
今回の患者さんは保険外治療を了承の上で、副作用が少なく、効果が比較的早く得られるrTMSを希望されました。
カウンセリングや環境調整以外の、治療効果が高く、薬物療法を避けたい方にはTMSをお勧めいたします。
名駅さこうメンタルクリニック院長
丹羽亮平
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「院長 資格・所属学会」
日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医日本産業ストレス学会臨床研修指導医
日本ADHD 学会
日本医師会認定産業医
日本認知行動療法学会
日本精神神経学会
日本児童青年精神医学会
医療法人永朋会 理事医療法人社団 理事
愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科
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