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不登校支援スダチのニュースについて②

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

前回ブログの続きになります。

 

 

不登校支援スダチのニュースについて

 

 

の続きになります。

(スダチについては、自分がホームページや代表の小川涼太郎さんのネット上の手記を読んだ限りの情報であり、情報の不確実性は否定できません。)

 

 

 

 ↑はスダチのホームページの「よくある質問」からの抜粋になります。

 

 

一番気になる文言は、「こちらの方法では不登校の原因を追究する必要がありません」という点です。

 

 

 

 

 スダチのホームページ等からうかがえるサービス内容は、

 

「規則正しい生活を促しデジタル機器の過度な使用・依存状態を見直すこと。

お子さん自身の気持ちに寄り添い登校に結び付けること

 

を目標に、家族や本人と密に連絡を取り合いながら実践的なサポートすること」

 

と解釈しています。

 

 

 これは基本的に非常に不登校への支援として理にかなっており、また医学サービスでは対応が難しい自宅生活へのサポートとして有効ではないのでしょうか。

 

 

 

しかし、「不登校の原因を追究する必要がありません」というのは、さすがに言い過ぎではないかと思います。

 

 

 

 

 例えば、不登校になられたお子さんには、不安が強い方が多くみられます。

 

 その原因が、同級生との交流や学習への困難さだったり、人それぞれです。

また、原因のわからない不安の方も少なくありません。

 

 

 そういった不安の強い方では、被害妄想(悪口を言われている感じ、見られている感じがする)や幻覚(部屋の隅に誰かいる)など軽度でも精神病症状を認める方が一定数おられます。

 

 

 確かに、デジタル機器の使用は不安や抑うつの悪化、生活習慣の乱れに影響を与えるので、これらの使用を減らしたらある程度改善するかもしれないですが、

対応としては、まずは精神的な休養と精神科受診を勧めたいです。

 

 

 精神的な休養とは、自宅でゆっくり休むことです。(規則正しい生活とデジタル機器オフはお願いしています。)

 

 

 

 また、例えば、学習の苦手さがそもそものきっかけで通学に苦痛感をみとめるお子さんでしたら、学習の苦手さへの対応策を講じることが必要です。

 (支援級や通級を考慮。 フリースクール通所を念頭にいれる、など。)

 

 

 

 

 

 もしかしたら、スダチのホームページには記載がないだけで、初回無料カウンセリングでは、上記のようなことをご説明されているかもしれないのですが、

 

 基本的には「なぜ学校にいけないのか」「現在どのような症状・状況か」ということを精査する必要があると思います。

 

 

 

 

 原因や状況・症状を判断した上で、スダチのサービスが有効な方も多くいらっしゃると思います。

 有料サービスなので、こちらから強く勧めることはありませんが、このように解釈しております。

 

 

 

 

 しかし、地域にもよりますが、児童精神科は全国的に診療がうまっており、初診まで時間がかかるというお話をよく聞きます。

 受診がなかなかできず、ご家族や本人の不安が強い際に、いつでも相談できるところがあるのは良いことだと思っています。(有料サービスなので、ご利用は熟慮の上でご検討を)

 

 

 

 当院でも基本的に初診予約をすぐにとることが難しい状況ですが、キャンセルなどで直近の予約枠があくことがあります。お困りの際は、まずはご相談ください。

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平