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暑い日のイライラは脱水の症状かもしれない~熱中症・夕暮れ症候群*

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 週末からとても暑い日が続きますね。

 

 

 まだ7月の初旬ですが、容赦なく炎天下の太陽が照りつける中、外出していると、心身ともに疲れがどっと溜まります。これから続く長い夏に思いやられます。

 

 

 

 「暑いとイライラする」という声は患者さんからも一般的にもよく伺いますが、これは実際に本当であり、もしかすると「脱水症状」になりかけているのかもしれません。

 

 

 

 昨年の夏の事でしたが、高齢の認知症患者さんが来院された際、付き添いのご家族から、夕方の不穏症状、認知症状の悪化の話がありました。

 

 

『最近、夕方になるとイライラして落ち着きがない。

 先日、「○○さんと約束がある」と言って出ていこうとして、はじめて妄想症状がでた。』

という話です。

 

 

 

 高齢者の夕方の認知機能悪化や不穏症状はしばしば認められる症状で、「夕暮れ症候群」と呼ばれたりもします。

 もともとの認知機能障害に併せて、身体疾患や使用薬剤、日内リズムの障害が原因と考えられております。

 

 

 上記のケースでは、症状としてはいわゆる夕暮れ症候群の症状と合致しておりますが、

 

・最近出現した亜急性症状であること、また

 

・夕暮れ症候群は日中の日照時間不足が誘因となりうるため秋から冬の発症が起こりやすい点が、上記症状とは合いません。

 

 

 

 夏場の症状が変動する認知機能の悪化は脱水症状の可能性があると判断し、こまめな水分摂取と屋内の休養を促し、薬物処方などの対応はせずに経過をみることにしました。

 すると、1か月後の来院では、水分やゼリーを意識して摂取することで、症状はなくなったとのことでした。

 

 

 

 

 

 体内の水分不足は身体的な症状のみならず、イライラや不安、抑うつ気分の悪化、認知機能悪化を引き起こす可能性があります。意識した水分摂取をぜひこまめに行ってください。

 

 

 涼しい家の中でのんびり心地よく過ごすことで活力を養うことができます。

 

 

 

 

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名駅さこうメンタルクリニック院長

丹羽亮平

 

 

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