発達障害の薬物療法 ~どんな時に薬を飲むのか【医師が解説】
今回は、
発達障害(自閉スペクトラム症)の患者さんに対して、どのような時にどのような薬物療法を検討するか?
ということについてです。
発達障害(自閉スペクトラム症)に関するお悩みで来院される患者さんは半分以上が児童患者さんであり、治療については本人とご家族と話しながら考えていきます。
積極的に薬物療法を希望される方は、ほとんどいらっしゃいませんが、
家庭内や学校の環境調整や心理療法さまざまな療育サービスを試しても、問題となる症状の改善が乏しかったり、本人や家族のお困りが強い際は薬物療法を考慮することになります。
発達障害(自閉スペクトラム症)の患者に認めやすい症状について、薬物療法にて改善の見込めるものは以下のような症状です。
- 癇癪
- パニック
- 暴言や暴力
- 易刺激性(感覚過敏)
- 気分の浮き沈み、不安、抑うつ
- 多動性/衝動性
- 不注意
- チック
- 睡眠障害
- 妄想
〇非定型抗精神病薬 ➡易刺激性、それに伴う癇癪・暴言・暴力・パニック、妄想
〇ADHD薬➡不注意・多動・衝動性
〇気分安定薬➡双極性障害
(非定型抗精神病薬のエビリファイ、リスパダールなども気分安定作用が期待できる
〇抗うつ薬➡抑うつ、不安、強迫症状
〇抗不安薬➡不安
〇睡眠薬➡睡眠障害
具体的な例です↓
名駅さこうメンタルクリニック 院長
丹羽亮平