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ADHD症状は成長してなおるのか

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 「多動・衝動性」にて受診される患者さんのご家族とのやりとりです。

 

 

 

 就学前から小学生のお子さんについて、

 

「授業中に動き回る・飛び出す」、

「他の児童に手が出てしまう」

「暴言がでる」 

「家族のお金を盗って遣ってしまう」

など衝動性に関するトラブルのご相談を受けることがよくあります。

 

 

 こういった衝動的な言動を認める時、不注意症状(忘れ物がとても多いなど)も併発することも多く、

診断は、ADHD(注意欠如多動症)とされることが少なくありません。

 

 

 治療や疾患の今後の展開を説明するのですが、

 

『成長するとともに、このような「飛び出す・手が出る」という症状はなくなりますか?』

といった質問をよく受けます。

 

 

 

右矢印はい、いいえとも明言はできないです。

 

 

 「飛び出す・手が出る」という行動そのものはなくなる可能性が高いですが、

他のかたちで「衝動性」の行動が出現する可能性があります。

 

 

 

 成長しても「衝動的な性格傾向」は変わらないことが多く、

 

幼少期・学童期は、 

 

先生の話を聞かないで、飛び出す。落ち着きない。手が出る。

 

思春期には、 

キレやすい。

ゲームやスマホ・SNSにはまりやすい。 

衝動買いや衝動欲求が抑えられない

(例えば、好きなアイドルのグッズを買い込んでしまう、遠方までコンサートをいく)

など

 

 

衝動的な傾向にともなう行動内容は変化します。

 

 

しかし、

成長過程で、衝動的な問題行動について改善を促す取り組み(家庭や学校における対応など)や医学的治療により、これらの症状が継続的に減るならば、大人になった時の衝動的言動は減る可能性が高いです。

 

つまり、学童期から衝動的な問題行動を治療介入することで穏やかな生活が明らかに増えると、成長した際の衝動的な言動が治療しなかった際に比べて減少する、という点が治療の意義の一つではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

 

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