トリンテリックスの副作用
最近、診療にて抗うつ薬の選択として、トリンテリックスを選ぶことが増えています。
副作用のすくなく抗うつ効果が強いからです。
抗うつ薬単剤で効果の乏しい際は、トリンテリックス+レキサルティの増強療法(augmentation:オーグメンテイション)も考慮します。
トリンテリックスを処方する際に、副作用をよく聞かれるので、トリンテリックスについてなネガティブポイントを説明します。
〇 抗うつ薬全般にありうる副作用
内服開始の時期:賦活化症候群(不安、衝動性の悪化)
維持期:消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振、口喝、下痢など)
性機能障害(性欲低下、排尿障害、ED)
中枢神経症状(けいれん、眠気、頭痛、めまい)
他のリスク:アナフィラキシー、悪性症候群、不整脈など
内服中止の時期:離脱症候群(だるさ、頭痛、めまい、ふるえ、不眠、など)
上記のように、起こりうる全て副作用を列挙すると不安になられる方もいるかとおもいますが、
実際のトリンテリックスの副作用頻度の報告は以下になっています。
悪心(19.0%) 傾眠(6.0%) 頭痛(5.7%) 下痢(4.1%)
浮動性めまい(3.3%) 便秘(2.9%) 嘔吐(2.8%)
悪心、嘔吐の頻度がやや他のSSRIよりも低めです。
〇トリンテリックスの他のネガティブポイント
・効果の発現が6週間とゆっくりめ
・薬価がやや高い(ジェネリックがまだない)
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平