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ストラテラとコンサータどちらをえらぶ?

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 

ADHDの内服薬について以下の4つがあります。

 

○コンサータ(メチルフェニデート):中枢神経刺激薬。不注意、多動・衝動性の全ての症状に効果が期待され、インチュニブ、ストラテラに比較すると、服用後すぐに効き、効果も強いです。効果はおよそ12時間弱。

 

○インチュニブ(グアンファシン):α2Aアドレナリン受容体作動薬、非中枢刺激薬。多動と衝動性と感情に対する効果が期待できる。24時間効果をもつ。

 

○ストラテラ(アトモキセチン):選択的ノルアドレナリン再取込阻害薬、非中枢性刺激薬。不注意、多動、衝動性の全ての症状を24時間、マイルドに改善します。

 

○ビバンセ(リスデキサンフェタミン):中枢神経刺激薬。6〜17歳の小児のみ承認。不注意、多動・衝動性の全ての症状に効果が期待され、基本的に他の3剤よりも強いと考えられています。他の治療薬で効果が不十分であった場合の選択肢となります。

 

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学校や家庭での問題行動・お悩みにて、ADHDと診断されて薬物療法を選択する際、

おそらく、コンサータとストラテラでどちらにするか悩まれるケースが多いのではないでしょうか?

 

 

(もちろん薬物療法を選択する前に、学校生活や家庭環境を本人・家族や関係者で話し合い調節したり、カウンセリングなど非薬物療法を考慮するべきですが、非薬物療法のみでは治療上の難しさがある場合です。)

 

 

・学校での問題行動(授業を聞けない、飛び出してしまう、暴言・暴力がでる、喧嘩が多い)

 

・家庭での問題行動(宿題がどうしてもできない、提出物が出せない、忘れ物が多い、かんしゃくもち、衝動買い、盗みなどの社会的問題行動)

 

 

 こういった、問題行動について薬物療法を考慮する際、不注意と多動・衝動性の療法をアプローチする薬として、

コンサータかストラテラを考慮されると思います。

 

 

 

その際、コンサータとストラテラのイメージで言うならば、

 

 

副作用や危険性が高そうだけど効果の強いコンサータ 

VS

まあまあ安全だけど効果のマイルドなストラテラ

 

という認識の方が多いと思っています。

 

 

 

この認識について、補足をしたいと思います。

 

 

 

・副作用と危険性はコンサータの方が高いのか?

 

 

・まず依存性は中枢神経刺激薬であるコンサータ(とビバンセ)のみあります。ストラテラはありません。

 

そのため、コンサータ(とビバンセ)は流通規制があるため、登録された医師しか処方することができません。

(精神科・心療内科でもコンサータ・ビバンセの取り扱いのない病院も少なくない。)

 

この点で、コンサータはとくに注意が必要です。

 

 

・では、副作用はどうでしょう?

 

 

 副作用について、致死性のある重篤な副作用と軽症の副作用を分けて考える必要が有ります。

 

 

 致死性のある不整脈や脳血管障害などはコンサータの方が出現リスクを説明されており、ストラテラよりも報告は多いと思われます。(しかし、発生率は少なく、データとして捉えられない)

 

 

 しかし、実際に起こりやすい軽症の副作用、例えば、頭痛、吐き気、食欲不振はストラテラもコンサータともほぼ同程度に認めます。

 

 

ストラテラカプセル販売元の「日本イーライリリー社」のストラテラ再審査報告書↓

https://www.pmda.go.jp/drugs_reexam/2018/P20180820003/530471000_22100AMX00644_A100_1.pdf

 

コンサータ販売元の「ヤンセンファーマ社」のコンサータ再審査報告書↓

https://www.pmda.go.jp/drugs_reexam/2019/P20191114002/800155000_21900AMX01770_A100_1.pdf

 

副作用の発生率は、承認時、特定使用成績調査時、認可後の調査と何回にもわたり調べられていますが、

 

 

コンサータが、76.8%、39.9%、27.0% など

ストラテラが、71.9%、45.9% 、21.6% 、17.0%  など

(症例数などの詳細は上記サイトを確認してください)

 

 

このように副作用発生率は非常に幅があり、どちらが副作用が起こりやすいとは言えません。

 

 

実際に診察をおこなっている感覚でもコンサータとストラテラの内服を中断するレベルの副作用の発生率は差がないと思います。

 

 

 コンサータの場合、食欲不振が内服初期に軽く出ることが多いのですが、そういった内服中断には至らないレベルの副作用をカウントするかどうかで、発生率は大きく異なるのではないかとも思っています。

 

 

続きは次回に

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平