ホーム > クリニックブログ > 市販の睡眠改善薬は副作用がけっこう多い。

市販の睡眠改善薬は副作用がけっこう多い。

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

市販の睡眠改善薬は、病院で処方される睡眠薬と全く異なる薬です。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

医療機関で処方される睡眠剤の種類は↓です。

 

ベンゾジアゼピン系:トリアゾラム(ハルシオン)、ブロチゾラム(レンドルミン)、フルニトラゼパム(サイレース)、ニトラゼパム(ベンザリン)、ブロチゾラム(レンドルミン)など

 

オレキシン受容体拮抗薬:レンボレキサント(デエビゴ)、スボレキサント(ベルソムラ)

 

メラトニン受容体作動薬:メラトニン(メラトベル)とラメルテオン(ロゼレム)

 

Z-drug(ゼッドドラッグ):ゾルピデム(マイスリー)、ゾピクロン(アモバン)、エスゾピクロン(ルネスタ)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 市販の睡眠改善薬は、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩)であり、アレルギー薬、風邪薬に使われる成分です。抗ヒスタミン剤の「眠気」の副作用を利用して「睡眠改善薬」となっているのです。

 

 

 そのため、従来のアレルギー薬や風邪薬を内服した時のような、日中の眠気、頭がぼんやりする、集中力低下にて日中のパフォーマンスの低下が起こりやすいです。

 日中も車の運転を控える必要があると思います。

 

また、そのほかにも、抗ヒスタミン薬には抗コリン作用にて、さまざまな副作用のリスクがあります。

 

 

抗コリン系の副作用:

 

中枢神経系:ふらつき、せん妄、認知機能障害

眼圧上昇⇨緑内障の人は禁忌

喘息の人は使用注意

消化器系:便秘、吐き気など

排尿障害⇨前立腺肥大の人は禁忌

心臓血管系:高血圧、不整脈、心不全など

 

上記の副作用のリスクがあります。

 

 

 

不眠症状は高齢の方に出現しやすい症状ですが、抗コリン系副作用を考えると高齢者の方には睡眠改善薬はおすすめできません。

 

 

睡眠改善薬の説明文書にも記載されておりますが、

 

一時的な不眠「精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠」の方がお試しにつかう、という利用が適切なようです。

 

 

なかなか改善に乏しい不眠症状にお困りの際は、心療内科・精神科の受診をおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

名古屋市西区、名古屋駅の心療内科・児童精神科

名駅さこうメンタルクリニック

 

〒451-0052

愛知県名古屋市西区栄生2-7-5 キョーワ調剤薬局2F

電話 : 052-551-7717

FAX : 052-551-7727