適応障害の治療、対応、環境調整は人それぞれ
前回、生活の変化の大きい春に起こりやすい疾患として、「適応障害」を挙げました。
適応障害の診断基準 具体例とともに (meiekisakomentalclinic.com)
「適応障害」は明確なストレス原因に対して、心身の強い不調をきたす状況、といえますが、
治療対応としては、基本的に「原因となるストレスから遠ざかること」に尽きます。
強烈に苦手な職場の上司や同僚、業務内容、学校生活の人間関係や苦手な場面など、
明確なストレス原因がある際は、「原因を遠ざける」、ということです。
しかし、しばしばあることですが、簡単には「辞められない」状況が非常に多いことが悩ましいです。
例えば、
人前に出て行う発表に強い不安を感じている
➡・発表をなしにする。
・発表の頻度をへらす。
・発表を行わないでプリントを配布するなどの代替案を行う。
・発表の時だけ、抗不安薬等の内服などの対処しながら発表を行う。
(発表が回避できない重大なもので、頻度が少ないのであれば、良いかもしれない。)
・仕事や学校を休む。
・職場の異動希望を出して、職場を変える。 保健室登校を行う。
→どこまで本人と環境が折り合えるのか。
・不安・抑うつが非常につよいため、抗うつ薬にて内服治療を行う。
(この時点でうつ病・不安障害などの診断に切り替わり、これらへの治療対応になるかもしれない。)
環境調整にて患者さんそれぞれの状況でどこまで折り合えるのか、
また、心身の障害をこれまでも繰り返すことが何度がある方ならば、
神経発達障害(ADHD、発達障害、学習障害など)やゲーム・動画などのデジタル依存の傾向、感覚過敏の傾向、他の精神疾患(双極性障害など)の併存する症状の有無を確認し、そちらの対応をした方が良いかもしれません。
*睡眠剤としてのメラトニンについての内容です
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平