漢字の苦手なお子さんに〜漢字学習支援のアプリ〜
漢字の書取りに対する困難さを抱えるお子さんは非常に多く認めますが、日常生活で行える具体的な支援が難しいのが現状です。
昨年、漢字学習に対する画期的なアプリが出たのでご紹介いたします。
筑波大学人間科学研究科に所属しておられる大西正二氏の考案された漢字への苦手さのあるお子さんに向けた実践的な学習法を行えるものであり、
自宅において、漢字の苦手さのあるお子さんに対して、理にかなった漢字学習が特別な指導スキルなく行える。
という、素晴らしいものです。
利用に関して、お子さん一人では難しく、大人の付き添いは必要かもしれません。
ご自宅で、または放課後デイサービスなどで、毎日少しずつでもできると良いと思います。
以下は、アプリの説明文章の抜粋です。
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Oska Writingは、一般的な漢字ドリルなどでは漢字を覚えることが難しい子どもたちに向けて開発された、全く新しい漢字学習アプリです。
常用漢字(小学校で学習する1026文字、中学で学習する漢字1110文字)全ての他に、ひらがな、カタカナも収録しました。
漢字学習を苦手とするお子さんには、いくつか特徴的な傾向があり、大きく次の5つのタイプに分類することができます。
1)眼球運動が苦手
2)視覚的な形態の記憶が苦手
3)漢字の中のまとまりを見つけることが苦手
4)視覚的に順番を覚えることが苦手
5)手先が不器用な傾向
どれかひとつの傾向にあてはまる場合もありますが、一般的には複数の傾向を同時にもっていることが多いのです。
それぞれの傾向に対応するための漢字練習方法として考案されたのが、下記の漢字練習法です。
【同時式漢字学習法】
漢字の学習の基本は、漢字をなぞることです。これは一般的な漢字学習アプリでも採用されている方式ですが、当アプリでは1画ずつ異なる色で提示します。これは、漢字の細部に注目させるための手段です。(色は自分の好みにカスタマイズも可能)
【継次式漢字学習法】
この学習法では常に次になぞる画を表示し、順番に漢字を書いていきます。
【1〜3画減】
漢字をなぞる際、最後の1〜3画の見本を表示せず、そこは自分の記憶で書かせる学習方法です。この方法で繰り返し漢字を学習することで、記憶への定着を確かなものにします。
【空書】
真っ白な画面に自分で漢字を書いていく「空書」機能を、漢字学習の過程に取り入れています。手運動の記憶を通して漢字を学習するために必要な練習方法です。空書画面では、書いた文字がすぐに表示されるモードと、一文字書き終わるまで文字が画面に表示されないモードを好みで切り替えることができます。
このアプリではこれらの学習法を、お子さんの特性に合わせて組み合わせ、学習することができます。
さらに、以下の機能があります。
●学習履歴の管理
漢字毎に、練習した回数、自己評価(5段階)、指導者評価(5段階)を保存できます。
●漢字の読み、熟語、例文を収録
すべての漢字の読み、熟語、例文を収録しています。漢字検索、読みによるソートにも対応しています。
●柔軟なカスタマイズ機能
漢字のなぞりかた:フリー(画面上どこでもなぞることが可能)/ステンシル(表示された漢字の画だけをなぞる)
筆のタッチ:平坦(ゴチック体フォントで表示します)/毛筆(毛筆体フォントで表示します)
文字の濃さ:見本として表示される漢字の色の濃さを変更できます
画の色分け:同時式学習の際の画ごとの色を変更できます
十字の表示:漢字の背景のグリッドを表示、非表示を切り替えます。表示する濃さを調整することもできます。
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名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平