コンサータ 副作用の出現率など、よく聞かれること ADHD薬①‐2
以下のブログの続きです。
コンサータについて 不注意への高い効果 ADHD薬①
コンサータは副作用のリスクがありますが、非常に不注意・集中力の改善、衝動性などの情緒面への効果が強いため、
症状に苦慮している際は処方の提案をします。
Q.副作用が怖いです。
診察でみなさんから伺う声でコンサータは副作用が強いイメージがあると思います。
そのことについて、具体的な説明をしますが、以下の記載のようにすごく多い!というわけではありません。
(27%を多いと感じるかどうかは人それぞれですが、、)
ヤンセン社発表のコンサータの副作用発現率は27%、ほとんど非重篤なものになります。
おそらく、動悸や頭痛、吐き気、食欲不振ではないかと予測します。
実際起こりうる副作用の出現率は3割くらい。主に非重篤(内服初期に出現しやすい。内服を継続すると軽減することも多い。)のものですが、
前回ブログにも書きましたとおり、心血管系、脳疾患といった重篤な副作用のリスクは否定できません。
また効果の反面、依存性の指摘はあります。
これらのリスクを含めて、内服のメリットがデメリットを上回ると考えられるときに処方します。
ネット上で見つけた「コンサータ錠_ヤンセンファーマ株式会社_再審査報告書 」からの抜粋になりますが、
『安全性検討事項のうち、本剤の重要な特定されたリスク及び重要な潜在的リスクに関連する副
作用の発現状況は、表 7 のとおりであった。本調査の副作用発現割合は 27.0%(149/552 例)であ り、承認時の副作用発現割合 76.8%(209/272 例)や小児を対象とした特定使用成績調査時の副作 用発現割合 39.9%(520/1,304 例)と比較して高くなく、発現した副作用の種類に留意すべき違い は認められなかった。 』
Q.依存性がありますか?内服したらやめられなくなるのでは?
依存性の可能性はあります。
脳内の報酬系を担っているドパミンを強めるため、依存を形成しやすいわけです。
しかし、もちろん内服しても快感が得られるというわけではないですし、
また、(ADHD合併の)ゲーム依存症など他の依存症の治療にドーパミンを補うために処方されることはしばしばあります。
適正に使えば、依存形成しにくいですし、内服がやめられないことはないです。
お困りの症状が落ち着いてからしばらく経過したら、コンサータ内服なしで過ごしてみることを提案しております。
家庭内の暴言や暴力、授業中のおちつきない言動など、内服にて軽快した症状は、内服を中断しても改善しているケースがしばしばあります。
また、生活環境の変化にてやめるケースも多いです。
例えば、授業中の眠気や不注意にコンサータを内服していた方が、卒業と就職を機に内服をやめるケースは多いです。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科
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