コンサータについて 不注意への高い効果 ADHD薬①
- まず、コンサータ「メチルフェニデート」について
〇基本的な特徴
・「中枢神経刺激薬」です。
脳内の神経間のドーパミンの再取り込みを阻害することにより、ドーパミンが受容体に結びつきやすくなることで、ADHDの症状を改善させます。
〇良い点について
・不注意、多動・衝動性にシャープな効果があります。
日中の学校生活や仕事のトラブルなど、これまで他の治療(環境調整や他の薬物療法)を尽くしても改善が難しかった症状に対して、著効する可能性があります。
効果はおよそ12時間。(診療における実感としては10〜12時間)
➡おもに日中の症状への効果です。
・集中力が増す。(授業をじっくり聴けるようになる、相手の話をじっくり聞ける。作業に集中して行える。)
・いやなことに向き合いやすい(→宿題をやるようになる。不登校の改善にも効果がある。)。
・日中の眠気を飛ばす。(つまり、内服する時間が遅くなると、効果が夜に持ち越し寝つきがわるくなる恐れあり。)
・テキパキ動きやすくなる。
・作業の組み立てがうまくなる。マルチタスクがやりやすくなる。(仕事、家事、育児が行いやすい)
・イライラが減る。
・気分の変調が減る。
〇悪い点について
・副作用のリスクがある。
以下の人は基本的に処方できません。
・過度の不安、緊張、興奮性のある人
・閉塞隅角緑内障の人
・甲状腺機能亢進のある人
・不整頻拍、狭心症のある人
・過去にコンサータ錠に含まれる成分で過敏症のあった人
・運動性チックのある人
・重いうつ病のある人
・褐色細胞腫のある人
・モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を飲んでいる、または飲むのをやめてから 14 日以内の人
ほかに、 頻度は多くはないですが重篤な副作用(不整脈、脳血管障害)のリスクがある。
重篤ではないけれど、しばしば起こる副作用は、吐き気、頭痛、めまい、食欲不振。
(これらの副作用は飲み初めによく出現し、時間とともに軽減することも多い。)
・精神依存性の指摘があること。 効果がある反面、内服に頼りたくなる可能があります。
・ネガティブなイメージがあること
同様の成分を含んでいた「リタリン」が過去に乱用が問題となったこともあり、コンサータも一般的にあまり良いイメージがないのではないでしょうか?
現在は、違法な乱用を防ぐために流通規制委員会が設置されており、登録された医師のみがコンサータを処方可能であり、患者さんもコンサータを処方する際は登録する必要があります。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科
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