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ADHDと双極性障害の区別が難しい時の治療

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

以下のブログの続きです。

ADHDと双極性障害は症状が似ている①

ADHDと双極性障害の区別②

 

 

丸レッド治療について考えるならば、

 

躁(そう)症状に併せて、明確に抑うつエピソードを認めるケースならば、双極性障害と過剰診断しても問題ないのでないかと思っています。

 

双極性障害の治療は、以下のような非定型抗精神病薬と気分安定薬が挙げられます。

 

 

うつ病エピソードには、

リチウム

非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン)の併用 

気分安定薬(ラミクタール)など

 

躁病エピソードには、

リチウム

非定型抗精神病薬(オランザピン、アリピプラゾール、クエチアピン、リスペリドン)の併用 

気分安定薬(バルプロ酸、カルバマゼピン)など

 

 

丸レッドADHDと診断しても、上記薬の考慮でよいと考えます。

(抑うつが強い際は、ADHD薬のコンサータは禁忌です。)

 

 

ただ、発達障害やADHDを疑う方(また、感覚過敏のある方)は、少量処方が副作用なく効果的なケースもしばしば認めるため、最低処方量の半量くらいの少量処方も場合により行っております。

 

 

※気分変動がある際は、ADHD・双極性障害限らず、

SSRI は気分変動を 悪化させる可能性があり、また、抗不安薬も脱抑制のリスクがあるので否定的です。

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平