ADHDと双極性障害の区別が難しい時の治療
以下のブログの続きです。
ADHDと双極性障害は症状が似ている①
ADHDと双極性障害の区別②
治療について考えるならば、
躁(そう)症状に併せて、明確に抑うつエピソードを認めるケースならば、双極性障害と過剰診断しても問題ないのでないかと思っています。
双極性障害の治療は、以下のような非定型抗精神病薬と気分安定薬が挙げられます。
うつ病エピソードには、
リチウム
非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン)の併用
気分安定薬(ラミクタール)など
躁病エピソードには、
リチウム
非定型抗精神病薬(オランザピン、アリピプラゾール、クエチアピン、リスペリドン)の併用
気分安定薬(バルプロ酸、カルバマゼピン)など
ADHDと診断しても、上記薬の考慮でよいと考えます。
(抑うつが強い際は、ADHD薬のコンサータは禁忌です。)
ただ、発達障害やADHDを疑う方(また、感覚過敏のある方)は、少量処方が副作用なく効果的なケースもしばしば認めるため、最低処方量の半量くらいの少量処方も場合により行っております。
※気分変動がある際は、ADHD・双極性障害限らず、
SSRI は気分変動を 悪化させる可能性があり、また、抗不安薬も脱抑制のリスクがあるので否定的です。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平