不登校の原因 『睡眠相後退症候群』
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『睡眠相後退症候群』とは、あまり聞きなれない病名ですが、児童精神科の臨床上は非常によく見かける疾患といえます。
睡眠リズムの疾患群(概日リズム睡眠障害)に分類されており、
睡眠の体内リズムが普通よりも遅れているために、「夜遅くまで眠れない、朝起きられない」症状、極端な場合は昼夜逆転を認めます。
思春期に問題になるケースが多いですが、もともと幼少期から寝つきの悪さを指摘されていた(先天的な影響がありうる)ケースと、10代以降に環境の変化によって引き起こされるものがありますが、どちらにせよ、
『夜寝られない、朝起きられない』症状の最大の発症リスクと悪化リスクは、夜のゲーム、スマホ、動画 といえます。
また、精神科受診に至るわけは、ただ『夜寝られない、朝起きられない』だけでなく、その症状に引き続き、学校や仕事に遅れたり、休みがちになることです。また、起床後も頭が回らず眠いような状態を認めて午前中の活動が十分にままならないことがあります。
不登校にて来院される方のほとんどに『睡眠相後退症候群』を認めます。
対応は、まずは環境調整が一番になります。
・夜間のデジタル刺激を避けること(一番重要ですが、一番難しい!!)
・朝に日光をあびること
・日中に活動すること
・夕以降のカフェインなどの刺激物をさけること
など。
環境調整は本人だけではなく、家族などの周囲の協力が必要なことが多く、なかなか難しいことが多いです。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平