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寝溜めはやはり効果がある~睡眠負債について

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 2017年、睡眠負債というワードが流行しました。

 そのことで、睡眠の質の向上や、睡眠時間の確保のために生活習慣の見直しが改めて重視されるきっかけとなりましたが、当時の見解では、毎日の寝不足(≒睡眠負債)は週末の寝溜めでは解消されない、ということが結論づけられていました。

 

 睡眠負債: 睡眠不足が蓄積すると、心身ともにネガティブな影響があること。

 

 睡眠不足が重なると、感情のコントロール(睡眠不足は抑うつや不安、イライラの悪化に繋がる)や遂行機能(テキパキ仕事などをこなす能力)の低下や、心血管系・糖尿病など生活習慣病・免疫力の低下等のリスクの上昇など身体疾患にも繋がりやすいです。

  6時間睡眠でもしばらく続くと、徹夜相当のパフォーマンス(遂行機能)に低下するそうです。

 

 

 

 しかし、その後、改めて「週末の寝溜めは効果があるのではないか」という結論が散見されるようになりました。

 (感覚的にも週末の寝溜めは効果がありそうに思ってましたが、)

 

例えば、2018年ストックホルム大学の研究チームです。

www.ncbi.nlm.nih.gov > pmc > articles > PMC7003477Sleep duration and mortality – Does weekend sleep matter?

平日5時間睡眠でも、週末9時間睡眠にて睡眠時間を補うと、死亡リスクが上昇しないそうです。

 

 

 また、非常に疲れており脳内の疲労因子が溜まっている際は、疲労回復因子に伴う修復が追いつかないことがあり、そういう時は長時間睡眠による寝溜めが効果があると思われます。

 

 もしも寝溜めをするならば、いつもと同じ入眠時間(もしくは翌日が休日と思うと、夜更かしをするかもしれない)で入眠し、目覚ましをかけずに延々と昼過ぎまで寝る、という睡眠パターンよりも、

 入眠時間を早め、普段よりも早く寝て翌日午前中には起床するほうが、寝だめに伴う睡眠リズムの悪化等の問題が起こらずよいと思います。

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

 

愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

 

 

 

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