統合失調症の入院はへっている。自閉スペクトラム症との関連は?
以前のブログにて、ゲーム依存にて入院される患者さんが増えている、という話をしましたが、
一方で統合失調症患者さんの入院は近年減少傾向となっています。
統合失調症の日本における発症率は変わらず、入院患者は減って外来患者はその分増えています。
つまり統合失調症が外来治療にて比較的対応が行いやすくなったと言えます。
その一番の理由は、薬剤治療の進歩です。
新しいものでは、レキサルティ、ラツーダなどあります。
他には、例えば、僕は初期の統合失調症患者さんには、エビリファイや少量のリスパダールを使うことも多いです。
(以前からあった薬は、ザイディス、液剤など剤形を選べる点や、内服量を細かく調整できる点が良いと思います。)
また、統合失調症は思春期発症をしばしば認め、初めて幻覚・妄想を認識されたのは中学〜高校時、という患者さんは少なくありません。
統合失調症の方は前駆期、つまり発症前の状態として、抑うつ、意欲低下、不安、強迫症状(こだわり)、不登校など短期的・間欠的な統合失調症の診断を満たさないレベルの症状を認めるケースが多くあります。
またDSM–4以降、自閉症・発達障害と統合失調症の併発は認められており、これらの併発のケースも少なくありません。
つまり、不登校などの社会機能の低下やうつ病など、児童期〜思春期の心の病気として、早期から治療介入されるケースが以前よりも増えている点で、もしもその後統合失調症を発症したとしても、従来よりも軽度の症状で済んでいる患者さんが増えているのではないかと個人的にかんがえています。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平