電気けいれん療法について② 適応 副作用
前回ブログのつづきです
電気けいれん療法は難治性うつ病の7~8割の方が改善すると言われる非常に有効な治療です。また、効果に比較すると、心血管系などの重篤な副作用の発生は少ないです。
しかし、修正型電気けいれん療法は行える施設が限られている点や、入院が前提となることが多く、やや敷居の高い治療といえます。
ただ、そもそも電気けいれん療法の対象は、入院相当といえる重篤な症状、緊急性の高い症状の方であるため、そういった症状の方にはぜひ治療の選択肢にあげたいです。
電気けいれん療法の対象は、
うつ病、双極性障害、統合失調症の患者を対象に行いますが、
基本的に、以下のような重篤・難治性の症状に行うことが多いです。
- 自殺企図の可能性が高い
- 混迷状態が強く服薬が難しい
- 躁状態が強くて危険性が高い
- 他に、、薬物療法が行えない方、薬物療法にて効果がない方
副作用について、
副作用は1電気刺激によるもの、と2麻酔によるもの、があります。
まず、死亡や重度の障害にいたる副作用の発生は非常に少ないです。
1電気刺激による副作用
記憶障害がまず挙げられます。日時、場所などわからなくなったり記憶が抜けることが数日から数週間起こることがあります。
ほかに血圧上昇や頻脈のリスクがありますが、一過性のものといえます。
2麻酔による副作用
麻酔導入時や覚醒時に「せん妄」という一時的な混乱状況になることがあります。転倒などが起きないよう注意して行います。
ほか、絶食、絶飲水を徹底しないと、麻酔にともなう嘔吐(二次的に誤嚥性肺炎などのリスク)も起こりえます。
簡単に行える治療ではないですが、敬遠しすぎるほど危険性が高いわけでもありません。
治療の必要性のある方はぜひご考慮ください。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平