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電気けいれん療法について①

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 これまであまり記載したことがありませんでしたが、

当院では行えない治療として、『電気けいれん療法』があります。

 

 電気けいれん療法は、重篤な症状への奥の手、といった治療です。

 

 

効果は薬物療法を上回り、非常に強いです。

そして、重篤な副作用は意外にも非常に少なく、比較的安全な治療といえます。

 

 

 では、なぜ治療として気軽に行われないかというと、

 

 ・電気けいれん療法そのものへの抵抗感 (電気ショックを脳に流す)

 

 ・入院治療が前提となることが多い。

 

(まず、現在行われている電気けいれん療法は、手術室にて全身麻酔を行い意識のない身体管理下で行う修正型電気けいれん療法です。

 基本的に麻酔管理の可能な医者のいる大規模な施設でしか行われず、入院も前提となることが多いです。 

 週2~3回をトータル5~10回くらい行います。最大15回)

 

 

 といった点で敬遠されやすいと感じています。

 

 

 

 医師の立場で考えると、薬物療法など他のうつ病治療と同様に、電気けいれん療法も「半永久的に効果がある」とは必ずしも言えないので、症状がいったん改善したのちも再燃する可能性があり、その際に再度電気けいれん療法をおこなうのか。

 繰り返し電気けいれん療法を行った時のリスクなど気になります。

 

 

 電気けいれん療法は、詳しい効果機序についてまだ解明されていないのですが、脳神経に電気刺激を行うことで神経伝達機能を正常化したり、血管や脳神経の新生にも効果があるといわれています。

 そういった作用はTMSと似通った点があり非常に納得のいくものです。

 

 

 

 次回、また電気けいれん療法について。

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平