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コロナ後のブレインフォグ症状にTMS(磁気刺激療法)

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

前回ブログの続きです。 

コロナ後のブレインフォグ症状について

 

コロナ感染症の後遺症として脳機能障害あり、ブレインフォグと呼ばれています。

 

ブレインフォグとは正式な病名ではなく、脳にぼんやりと霧がきりがかかった状態:憂うつ感、倦怠感、頭痛、集中力の低下、遂行能力の低下(テキパキ作業をこなせない等)などの脳機能症状をまとめてよんだものです。

 

 

当院でもこの数ヶ月、ブレインフォグ症状に対応することが増えてきました。

 

 

 

ブレインフォグへの対応についてまとめます。

 

 

 

これらのブレインフォグは、確立した治療法はなく、基本的に個人ごとの症状に応じた対応になります。

 

 

 

丸レッド規則正しい生活と良質な睡眠をとり、休養を行うことがまずは大事です。

 

 その上で、個人の症状や状況により、運動や社会的活動をプラスするとよいと思います。

 

 

・適度な運動 (運動は脳機能全般によい影響があります。気分転嫁になど負担にならないレベルの運動は積極的に行った方がよいです。)

 

 

・負荷の強すぎない活動 (個人のライフスタイルにより異なると思いますが、料理などの家事、短時間の就労など、負荷の強すぎない内容の遂行機能作業はリハビリによいと思います。)

 

 

 

 

丸レッド上記の休養をおこなったとしても症状が改善しない時は、医療的な治療を検討します。

 

症状に応じて治療を行います。内服治療では、以下の提案が主なものとなります。

 

・漢方薬

・めまいの治療  

・自律神経失調症の治療

・抗うつ薬 (憂うつ感、不安、疲労感、意欲低下、疼痛症などに)

 

 

これらで改善する症状はもちろん多いのですが、

 

「頭がぼんやりする、集中できない、てきぱき動けない、文章を読めない」

といった集中力や遂行機能の障害については薬剤療法だけではカバーすることが難しいと感じることがあります。

(抑うつに伴う認知機能低下症状と解釈すると、抗うつ薬の効果があるかもしれないです。)

 

 

 

その際、TMS(磁気刺激療法)の考慮を提案したいです。

 

 TMS(磁気刺激療法)は頭に機械を装着し、磁気刺激を前頭葉(背外側前頭前野)に当て、間接的に不安などの感情を制御する扁桃体にも効果をもたらします。その結果、脳神経の伝達や働きを正常化し、抑うつや不安、意欲低下、慢性疼痛を改善する治療です。

 

 詳しく説明しますと、、

 磁気刺激を通じて脳神経に電気刺激が流れることで、シナプス(神経間の隙間のこと)に適切な働きを促し、セロトニンなどの神経伝達物質を正常にやり取りできるようにします。このことが繰り返し刺激されることで、神経ネットワークが再構築され神経機能が改善するのです。

 

 

 

TMSは抑うつや不安などの気分症状だけではなく、集中力の改善、作業効率のアップといった認知機能の改善にも効果があります。

⇨ブレインフォグ症状にTMSは効果が期待されます。

 

 

 

ちなみに、TMSは、

 ・大きな痛みはなくおよそ1回30分で完了します。

 ・また、服作用が少なく安全性の高い治療です。

 

 

 

ブレインフォグ症状は薬物治療で改善し難い症状です。

 

悩まれる方は、TMSの考慮もご検討してはいかがでしょうか?

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

 

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当院ホームページはこちらより

https://meiekisakomentalclinic.com

 

 

 

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