長期連休明けの不登校にどうするか?【医師が解説】
長期連休明けに、「学校へ行きたくない」という訴えはよく聞きます。
・朝がおきれない。
・出発の準備までするが出発できない。
・腹痛、頭痛など身体症状が出現する。
などでお困りの方は多いとおもいます。
お子さん自身も、学校に行かなくてはいけないと強く感じていることがほとんどで、それでも「行きたくない」ということですので、当日は「お休み」になることは致し方ないと思います。
その上で、
1、まずはどうして行きたくないか、ということのお子さんの話を聞くこと
(必ずしも本人の訴える内容が、学校に行きたくない本当の原因とは限らないです。しかし、まずは本人なりの解釈を聞くことと、心の辛さをオープンにすることを受け止める姿勢が大事ではないでしょうか。)
2、本人に「本日は学校を休んでも良いが、○○になったら学校にいく」という、出口の設定をおこなうこと。
例えば、腹痛が治ったら学校に行く、明日には学校に行く、などです。
(この約束は必ずしも果たされるものではないと思っていますが、やはり本人と学校を休むことの「出口」を設定することは大事です。
絶対守らなくてはならないと、強くせまる雰囲気ではなく、カジュアルに冷静に終わりの設定を本人と決めるべきでしょう。)
3、学校に行かない時、ゲームや動画、スマホなどデジタル刺激を避けること。
今回、記載した上記3つの中で、意外と大事な点は3番のデジタル刺激を減らすことだと思っています。
1、2はほとんどのご家庭がすでにされていると思います。
2の「お休みの期間の終わりの設定」については、なかなか約束を守れないことも多いとおもいます。
明確な不登校の根拠がない不登校の際は、心療内科の受診を考慮するのも大事です。
注意欠如多動症、発達障害(自閉スペクトラム症)、感覚過敏、学習への難しさが隠れていることもしばしばみられます。
3について、デジタル刺激を長時間、連日経験すると、意欲低下、無気力、感情や行動の制御の低下など、デジタル刺激への依存症状にともなう認知機能の低下を招き、二次的に不登校が長期化することが多いです。
学校に行くことのできない時間はできれば、デジタル刺激から遠ざかった生活をお勧めしたいです。
(勉強とはいかなくても、漫画を読む、散歩、家で絵を描く・工作する、などのアナログの生活を行う方が、不登校の長期化はしにくいです。)
しかし、現実的なことをいうならば、
共働きなどお忙しいご家庭が多く、突然の不登校に対し、一人でお子さんがお留守番するケースが多いです。
そうなると、ゲーム、動画などの時間が増えるのも仕方がないように感じます。
とても難しい問題です。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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