爪かみ、爪むしり、抜毛、など身体集中反復行動症への解釈
「身体集中反復行動症」は、爪かみ、爪むしり、抜毛など、「やめたいのにやめられない」、身体への不適切な反復行為をいいます。
主に、皮膚、髪、爪への反復行動が多いのですが、一つの行動をやめようとすると別の行動がでてしまい、症状が移行するようなことも多いです。
抜毛をやめようしたら、爪かみが悪化した。
爪むしりをやめようとしたら、皮膚のかさぶたをはがすようになった。
といったものです。
これらは「やめたいのにやめられない」という強迫行動と捉えられ、DSM5では強迫症の関連疾患に分類され、
治療は抗うつ薬(SSRI)などが提案されております。
しかし、SSRIによる治療効果は非常に良いとはいえません。
個人的に身体集中反復行動は、
患者さんの症状のタイプにより強迫症状と捉えた方が良いタイプと、
落ち着きのない「多動・衝動性」の症状と捉えた方がしっくりくるタイプがあると思っています。
そもそも多動・衝動性傾向をもつ、「じっと話を聞けない、思いついたら行動する、衝動買いなど」いわゆる「落ち着きのない」人に、手悪さ(目の前のものをすぐ触る。貧乏ゆすり」。爪かみ。かさぶた剥がす、など)を認めることがおおいのです。
こういった方が、ADHD治療を行った時に副次的に「身体集中反復行動」が治ることがあると思っています。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平