抗うつ薬が飲めない方のうつ病治療 感覚過敏、こだわりなど
当院に来院される成人患者さんで一番多く認める疾患はうつ病です。
うつ病の治療と言いましても、患者さんの背景や併発している疾患(診断基準を満たさないレベルの行動や思考の偏りも含めて)によって対応は異なります。
当院のうつ病への対応をまとめています
うつ病を抱える方に、感覚過敏の傾向のある方(音や触覚、光の眩しさなどに敏感であったり、天気や気温など外界刺激で不調に至りやすい方。こだわりなどのルーチーン、強迫症状も併発しやすい。)は非常に多いと感じています。
しかし、薬物治療への反応が強くでてしまい、抗うつ薬の内服にてしばしば吐き気、頭痛などの副作用を激烈に認めたり、また、「粒の大きい錠剤が飲み込めない」との嚥下の難しさを認めるお話も多く、抗うつ薬をそもそも内服できない方もいらっしゃいます。 他にも持病にて抗うつ薬の飲めない方もいらっしゃいます。
「感覚過敏やこだわりの傾向 + うつ病」 という方には、以下の提案を行っています。
改めて抗うつ薬の治療を行う。
剤形に関しましては、粉砕して粉薬にするなど可能な限り飲みやすい工夫をします。(特別なコーティングあったり、除法製剤では粉砕できません。)
また、内服量を規定量の半分以下にするなど微量処方を行う。(微量処方でも効果を認める方は結構いる。)
漢方にて対応
心理カウンセリングや環境調整
TMS
抗うつ薬はやはり抑うつ症状に非常に効果があります。
通常の内服量で副作用がでたとしても、内服量を減量して内服を再トライする価値はあると思います。
また、カウンセリングやTMSなど非薬物治療に切り替えてもいいかもしれませんね。
精神的な不調に対し一度精神科にいったものの治療が合わずにあきらめるケースが多いと思いますが、
継続する不調にお悩みの際はぜひ治療を再トライされることをお勧めします。
豊田市美術館 モンドリアン展に行きました。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平