子供の不眠の原因としての「むずむず足症候群」
むずむず足症候群Restless legs症候群(RLS) について
むずむず足症候群の診断基準は以下
1.脚を動かしたいという強い欲求が存在し、また通常その欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って生じる。
2.静かに横になったり座ったりしている状態で出現、増悪する。
3.歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって改善する。
4.日中より夕方・夜間に増強する
つまり、中核症状は,「下肢を動かさずにはいられない衝動」で、多くの場合、下肢の 異常感覚(ぴりぴり、むずむずする感じ。虫が足を這う感じ。等)を伴います。
じつは、小児の不眠の原因にもなりますが、身体感覚をうまく表現できないお子さんでは症状に気づかれないことが多いです。
しばしば「寝付けない子供の足をマッサージしてやるとよく眠れる」というエピソードを聞くと、RSLではないかと疑うことがあります。
RSLの原因は、脳内の中枢ドーパミン系機能の低下が関連することや、中枢のドーパミンシグナル伝達が夕方に低くなる日内リズムを示すことの影響が言われています。また、鉄の利用障害(鉄分不足など)がある際は、脳内のドーパミンを適切に利用できなくなり症状の悪化を来すと考えられます。
そのため、「脳内の中枢ドーパミン機能の低下」を同じメカニズムとするADHD、パーキンソン病はRSLの合併が多いことで知られています。
なんとADHDの4割の方がRSLを併発しているとの報告もあります!!
RSLについては薬物治療が非常に奏功します。
お子様の不眠でお悩みの方がいらっしゃれば、「むずむず足症候群」のこともぜひご考慮してください。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平