治らないうつ病はなぜか?具体的な対応策⇨TMS
コロナ禍の遷延するにつれ、抑うつ症状、不安、不眠で来院される患者さんがいっそう増えていると実感しております。
また、うつ病、不安障害に対して、複数の薬物治療やカウンセリングを行ったけれど回復せず、当院に転院される方も多いです。
こういった、難治うつ病の方への対応には、背景となる生活史・家庭状況や併せ持つ疾患を考慮した対応が重要となってきます。
以下、『難治性うつ病へのTMS治療』のブログ記事の修正を加えて載せます。
これまで抗うつ薬などをいろいろ内服治療しても改善がなく、難治性うつ病として悩まれて来院される患者さんは、複数の症状を併せ持つケースが多いように思われます。
1、身体疾患、身体症状(めまい、しびれ、体の痛みなど)との合併
2、不安症、強迫性障害など他の精神疾患との合併
3、自閉スペクトラム症、ADHDなど神経発達障害との合併
が多いのではないでしょうか、
こういった複数の症状で悩まれる方には、疾患の原因であれ、症状の経過に伴う二次的なことであれ、以下の要因も絡んでくるのケースが多いように思います。
1、ストレスの原因を容易に解消ができない、または繰り返す。
(コミュニケーションが苦手な方では、転職を繰り返しても職場の人間関係の悩みが付きまとう、等)
2、薬がのめない。
感覚過敏のある方(自閉スペクトラム症など)には、抗うつ薬など内服薬に伴う有害事象が起こりやすいです。
アレルギー反応であったり、他にも頭痛や吐き気など認めることが、感覚過敏のない方よりも非常に多いと実感します。
また、感覚的に薬がのめないケース(漢方が味覚的にムリ、カプセルが喉を通らないなど)もあります。
3、また、上記の3つの合併を認める方は、1〜3のオーバーラップもしばしば認めます。
自閉スペクトラム症→こだわりの延長にて強迫性障害
→ストレスが身体化しやすい
→感覚過敏にて内服薬がのめない、副作用がでやすい
4、このような状況に有効な治療が見つからない際、症状が長期化し、患者さん自身も高齢になられるケースもあり、そのことも難治性の要因につながります。
こういった薬物治療では膠着した状況にお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひTMS治療を選択肢として考えて頂きたいです。
TMSは身体への影響が少なく、薬物治療のように抗うつ薬とその代謝物が体内に残存し副作用が出ることもありません。
脳神経には、大人になってからでも変化し得る柔軟性(可塑性)があり、TMSによる精神状態の改善にはその性質が関与していると言われています。一般的な薬物治療と比較しても十分な効果を得られる場合もあります。
愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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「院長 資格・所属学会」
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子どものこころ専門医日本児童青年精神医学会 認定医
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