サプリでうつ病・発達障害・ADHDが治らないか?
治療する上で、医師としては、疾患や症状にあわせてエビデンス(調査研究にて効果があると実証されていること)が高い治療法を患者さんとそのご家族に提案しますが、精神科分野の治療は特に薬物治療が非常に重要な位置付けになります。
しかし、「精神科のお薬の内服はできるだけ避けたい」という返答はしばしば伺うものです。
患者さんや家族の立場になると、そのお気持ちは非常によく理解できます。
とくに小さいお子さんの患者さんが精神科の内服薬を継続的に飲むことには、強い抵抗感を感じられる方が多いです。
その際、内服薬の得られる効果とメリット、エビデンスの確かさを説明し内服を促すことを行ったり、もしくは、漢方薬の処方、心理療法や環境調整などの他の治療法を提案します。
効果の得られ、かつ副作用の少ない治療はないかと頭を悩ませております。
患者さんの中には精神症状の治療のためにサプリメント内服している方がしばしばいらっしゃり、診察で「このサプリで治りますか?」と聞かれます。
「治りますか?」と言われると、なかなか難しいですね。
例えば、精神疾患の不調に関するミネラルでは、亜鉛やマグネシウムが挙げられます。脳の神経伝達に必須な栄養素であり、神経の働きを安定させます。
これらが不足すると、不安、抑うつ症状の出現を認め、うつ病の治療ではこれらの栄養素を内服した方が症状の改善がより効果的であるという論文が散見されます。
不安、抑うつ症状を認める方には、これらの栄養素が不足しているケースが多く、亜鉛やマグネシウムをサプリや食事で補うことをお勧めします。
しかし、「亜鉛やマグネシウムにて治療ができるか」というとやはり補助的な治療の位置付けは出ないと思います。
高額なサプリを購入されている方も多いですが、効果がないとはいえないです。
しかし、経済的な負担との兼ね合いをどう判断するかは個人によるでしょう。
精神疾患に効果の期待される栄養素、オメガ3について次回触れたいと思います。
愛知県名古屋市西区の心療内科・精神科・児童精神科
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平
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「院長 資格・所属学会」
日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医日本児童青年精神医学会 認定医
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