不登校・ゲーム依存への対応の具体例
ゲーム・ネット依存への対応は非常に難しいですね。
ゲームやネットに費やす時間だけでなく、社会生活や家庭生活の状況で対応はもちろん異なります。
お子さんの例ですと、
♦社会生活の状況⇨学校にいけているか?(不登校?夜更かしと遅刻をしていないか?)
社会生活を気持ち良く送れているか?(ネット以外で交流する親しい人はいるのか?学校生活は問題ないか?)
やらないといけないことをできているか?(宿題、テスト勉強など)
♦家庭生活の状況⇨家族との関係は?(会話や交流はできているか?暴言・暴力の有無。親子の約束は守れる関係か?)
規則正しく生活できているか?(夜更かし、睡眠時間は?きちんと食事はとれているか?)
受診される患者さんのゲーム・ネット依存を認める方は、社会性の障害もしくは家庭生活の障害に悩まれて来院されるのですが、対応はこれらの状況により個々にことなります。
例えば、
学校にていじめなど対人交流の悩みがあり、不登校になった。→平日、家庭にて時間を持て余しゲームにのめり込む。
→ゲームにのめり込み昼夜逆転の生活。
→不登校が継続し、連日ゲームを行う生活。止めようとする家族に暴言や暴力など反抗的な言動。
→この時点で来院。
こういったケースは非常によく認めますが、
現実生活がもしも充実して、友人関係や学校生活が満足いくものならば、ゲームに依存しないと思われる方は多いです。
対応は、「日中の生活の充実度をどうやってあげるのか」と「家族への対応」に尽きると思います。
「日中の生活の充実度をどうやってあげるのか」
小学生、中学生の方なら放課後デイサービスを平日利用し同級生やスタッフと繋がりをもつこと、高校生ならアルバイトもいいかもしれません。
ペットを飼うことで、散歩などの世話を行い心身が健康になった例もあります。
趣味を充実させてもいいかもしれません。
(また、並行して学校への配慮など、根本的な不登校や社会復帰への対応を行います。)
「家族への対応」
家族の抱えているお悩みを伺いながら、患者さんが望ましい生活を行えるように、どうやってよい親子関係をつくれるかなどを話し合います。
(当院ではペアレントトレーニングも行っております。)
以下の本に、記載しておりましたが、
「嗜癖(アディクション。依存とほぼ同じような意味)は「孤立の病」である。コネクション(繋がり)を回復するとアディクションが緩和する。」
繋がりを取り戻す作業を、診療にてどのように行っていくかが医師として問われます。
大学病院に勤務しておりました時にご指導頂きました吉川徹先生の著書です。最近もオンライン勉強会などでお世話になっております。
説明が項目ごとにわかりやすく書かれており、対処法も実践的な内容です。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
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名古屋市西区、名古屋駅の心療内科・児童精神科
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