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ビバンセ(コンサータ)と比較して

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 

菜の花を見つけました。

春は近いですね。

 

 

前回ブログの続きになります。下矢印

https://meiekisakomentalclinic.com/blog/1444/

 

 

 

 

前回ブログにて、ビバンセをどのような患者さんに処方するのかを詳しく記載しました。

 

対象は、

  ADHDにて通院され、従来のADHD薬(コンサータ、インチュニブ、ストラテラ)にて効果が不十分であった患者さんです。

 

 ・非中枢刺激薬(インチュニブ・ストラテラ)にて効果が不十分であった方に、次にビバンセを処方することはありません。

 まず、コンサータの内服を提案します。

 

 ・コンサータを副作用にて内服中断した方に、ビバンセの処方を提案することは基本的にありません。

 コンサータとビバンセは作用機序や効能が似ており、コンサータにて副作用が強く出た方は、ビバンセでも出現する可能性が高いと考えるからです。(絶対ではないので、患者さんとの話し合いにてビバンセの処方をトライすることはあります。)

 

 

 

さて、皆さんから一番よく聞かれる質問ですが、

 

「コンサータと比較して、実際にビバンセは強いのか?」

 

→やはり、効果が強く、作用時間も長いと実感します。

 

 

 18歳未満の患者さんに対して、コンサータは18〜45mg  ビバンセは30〜70mg、の範囲にて処方し、処方量に幅があるため単純比較は出来ませんが、

 

 まず、ビバンセの方が効果時間の長さを実感される方が多いです。

(説明文書には、コンサータ、ビバンセとも12時間との記載です。)

 

例えば、

 コンサータは7時台に内服した際、17〜18時には効果が薄らいでいるとの話がしばしば。(そのため、宿題は帰宅後すぐにやりましょう等の指導をします。)

 一方で、ビバンセは19時の塾の授業もしっかり聞ける、等の報告が多いです。

 

 

 効果の強さ、長さとも、「コンサータ=ビバンセ」「コンサータ<ビバンセ」

 

 コンサータと変わらない、との話を聞くことはしばしばありますが、ビバンセの方が弱いという意見はあまり聞いたことがないです。

 

 

丸ブルー実感される副作用について、ビバンセの方が非常に強い、ということはないです。

 

 食欲不振はやはりよく伺います。コンサータよりも強まったという意見もあります。

 一方、「効果の立ち上がる時や切れかかる時の頭痛・めまいなどはビバンセの内服にて認めなくなった。」という報告もあります。

 

 コンサータとビバンセの副作用について大きな差異はない、というのが医師の主観です。

(ビバンセで70mgを処方している患者さんは現在まで、まだおりません。70mgまで増量すると副作用の出現も増えるのかもしれません。)

 

 

※これらはあくまで患者さんの意見に対する自身の主観ではあるので、ビバンセとコンサータの効果や副作用についてまとめたデータをまたお見せできればと思います。

 

 

 ビバンセにご興味のある方は医師までご相談ください。

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

 

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ビバンセカプセル

 

4.効能又は効果

小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

6.用法及び用量

通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。

5.2 本剤の6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7、17.1.1、17.1.2参照]

5.3 本剤による薬物治療を18歳未満で開始した患者において、18歳以降も継続して本剤を投与する場合には、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに、定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。

5.4 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

7.2 高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2未満)には、1日用量として50mgを超えて投与しないこと。また、透析患者又はGFR15mL/min/1.73m2未満の患者では、更に低用量の投与を考慮し、増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。[9.2.1、13.2、16.6.1参照]

7.3 不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。