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ビバンセ 誰に処方するのか?

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 

 

現在コンサータを内服していらっしゃる患者さんやそのご家族、またADHD症状に悩まれ治療を検討されている方から、

 

「新しいADHD薬のビバンセは効果が強いと聞くけれど、実際どうなのか?」

 

「ビバンセはアンフェタミンのプロドラッグだけど、安全性は大丈夫か?」

 

 というご質問をしばしば受けます。

 

 

 ビバンセに興味はあるが、効果と安全性にご不安をお持ちの方が多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 ビバンセはコンサータと同じ中枢神経刺激薬に属し、注意欠如多動症(ADHD)に対する薬として2019年12月から販売が開始されました。

 当院でも、他のADHD治療薬にて治療効果が不十分な方に対し徐々にビバンセの処方を開始し、ビバンセ内服における効果の実感を手応えとして最近感じております。

 

 

 やはりビバンセは、コンサータより作用時間が長く、効果が安定していると感じます。

 

 

 

 丸レッドまず、ビバンセはどのような患者さんに処方しているのか?

 

 

 まず、ADHDは中枢性刺激薬(コンサータ、ビバンセ)と非中枢性刺激薬(インチュニブ、ストラテラ)に分けられます。

 

 そして、治療ガイドラインにも記載してありますが、他のADHD治療薬にて効果が不十分であった患者さんにビバンセの処方を考慮します。

 

 

 そのため、ビバンセを新規処方する患者さんは、全員コンサータの内服経験のある患者さんです。

(コンサータにて効果の不十分であった患者さんにビバンセを提案します。)

 

 

 ADHD薬の非中枢神経刺激薬(インチュニブ、ストラテラ)を内服し効果の不十分であった方には、まずコンサータの内服を提案します。インチュニブ・ストラテラから直接ビバンセの内服処方を提案することはありません。

 

 

 

 また、コンサータとビバンセは同様の中枢刺激薬としてシナプス間隙におけるドーパミン・ノルアドレナリンの効果を働きを持ちます。

コンサータとビバンセは効果も似ていますが、出現する可能性のある副作用のスペックも似ています。

 

 そのため、コンサータを副作用にて内服中断した方に、ビバンセを処方することは基本的にありません。 

※下にビバンセの添付文書を貼りました。一般的な副作用や注意について記載あります。

 

 

→次回ブログにて、ビバンセの効果について記載します。

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

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ビバンセカプセル

 

4.効能又は効果

小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

6.用法及び用量

通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。

5.2 本剤の6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7、17.1.1、17.1.2参照]

5.3 本剤による薬物治療を18歳未満で開始した患者において、18歳以降も継続して本剤を投与する場合には、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに、定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。

5.4 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。

7.2 高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2未満)には、1日用量として50mgを超えて投与しないこと。また、透析患者又はGFR15mL/min/1.73m2未満の患者では、更に低用量の投与を考慮し、増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。[9.2.1、13.2、16.6.1参照]

7.3 不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。